おもてなし
この週末はオヨバレ週末、土曜日は先日のエントリーに書きましたとおり、ホテルニューオータニ鳥取でのイタリアンディナー、そして日曜日の午前中、結婚祝いのために、年上の友人が、私たち夫婦二人をご自宅に招き、お茶会を開いて頂いたのでした。
その年上の友人とココでは気安く書いておりますが、大手広告代理店の鳥取支社の責任者の方で、元々商業デザインの現場でお仕事をされていた方、絵心をお持ちで、それゆえ自分なりの審美眼もお持ちです。そして何より焼き物のコレクター。また最近は、広告代理店なのか蕎麦屋なのか?と言う位に蕎麦打ちに熱中されている方なのです。
そのお方が「是非、家に来て。結婚祝いのお蕎麦茶懐石をやろう」とのお話になったのです。
ご自宅に伺うと、先ずほうじ茶で一服、その時にあつらえてあったお菓子が器といいお菓子といいすばらしくイイッ!!なセンスなのです。
幼児の書いたような(ちゃんとした作家さんの物ですよ)可愛らしい絵付けの白磁の器に、金平糖、一口大に割った和三盆、そしてゼリービーンズ。見て下さいなんともカワイイお茶菓子ではないですか。
これは20代のおねぇちゃんの見立てではないのです、還暦を越えたオジサンの見立てですよ。素晴らしいですよね。コレで相方はすっかり上機嫌。
ゼリービーンズをつまみ、ほうじ茶を啜って暖機運転終了、これから隣の部屋へ向かいます。すると、その部屋の長机の上にはおびただしい数の桐箱が出番を待っております。
桐箱を開け、ウコン染めの黄袋を解きますと、出て来る出て来る、お宝の山です。30年を超えるコレクター道の結果が其処に現れたのです。
黒楽、備前、志野、織部、白磁、青瓷、萩・・・
一つ一つの由来、作家、作陶方法、高台のつくり、器の個性、そんなこんなをお話して頂きます。この方はとても話し上手な方。美術の講義のようなそれではなく、笑いの尽きない楽しいお話でリズムを載せての器の説明に、こっちからも調子に乗って質問君、するとまたそれに返答と、あっちゅー間に時間が過ぎていきます。
そして、お茶会の始まり始まり。
今度はスタンダードに、実に春らしい練りきりの生菓子を用意されていました。
お菓子を頂きながら抹茶を点てて頂き、作法にしばられる事なく、笑いの絶えない楽しい会話の中でのお茶席です。そこに存在するマナーと言えば「客は亭主に恥をかかさず、亭主もまた客に恥をかかさせない」その信頼関係があるのみです。
さて、そんなこんなで楽しい時間はあっという間に過ぎていくものでお昼近くなりました、すると自らが手打ちされたお蕎麦が登場です。
見て下さい。この艶かしいほどに艶のあるこの半透明な蕎麦面を。そばつゆも、返しを寝かして全て自家製。
これに、ご自宅の裏の畑で栽培された辛味大根のとっても辛~い大根おろしを添えて、おろし蕎麦として頂きました。
蕎麦打ちをされ始めてまだ一年経つか経たないかなんですよ。実は私、蕎麦打ち第一回目の蕎麦も頂いているのですが、あの時はそりゃーもうね・・・今では笑い話として語られる内容だったのです。それから何度蕎麦を打たれたのか。今やお金を取れる内容の蕎麦に仕上がっています。
最後にもう一服ずつ抹茶を点てていただき、それを頂くと、会は終了となりました。
我々の結婚の祝いに、手作りの暖かいもてなしを受け、ありがたさ一杯で日曜日の午前を過ごしたのです。
あと20年歳を取ってから・・・私はこんな風に生きているのでしょうか・・・
| 固定リンク
| コメント (2)
| トラックバック (0)
最近のコメント