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2014年8月11日 (月)

職人さんとのお付き合い

 仕事の事なのですが、観光業に携わる身。この週末からの9連休なお客様を待ち構えるべく、あれやこれや支度していた事が、台風11号のおかげで全部吹っ飛び意気消沈な本日、皆様はいかがお過ごしですか?

  そんなこんなで山陰は湿度が高くてたまりません。私のような大きめ体型の人間はちょっと動くと汗びっしょりな毎日です。

 忙しい昼間は昼間、夜の帳が降りる頃、気分転換と言いながら行きつけのBarへ足が向かいます。街の子ですから徒歩で飲みに行けるんです。

 そこに着くや、スペインの赤でちょっと一息、グラスが空になるのを見ると、私がオーダーする前から二杯目を作るためにマスター、カウンターにボトルを並べ始められてます。

 見れば本みりん2種に米焼酎。メジャーカップでそれぞれの量を計り、ステアグラスで正確なステア、それを氷で冷やした大ぶりのオールドファッショングラス風、青い着せ硝子の江戸切子のグラスに注いで私の前へ。

  皆様は「なおし」とか「柳影」ちゅー飲み物しっておられますか?

 江戸の頃、夏の暑い時期に涼を取りながらそれでいて、体力の回復のためにちょっと甘めでそんなアルコール飲料。焼酎をみりんで割ったものなのです。

 1年ほど前に私との話の中で「それを「Willow shade」なんていう名前のカクテルで、このBar発で再現できるといいよねぇ~」なんて話してたのを、色んなみりんと米焼酎を取り寄せ、その配合をテストしていたそうです。

 その日はその初号試飲だったのです。

 日本の物とは思えない馨がします。私の好きなマデラ、マルサラ、ポート、シェリーといった酒精強化ワインと同じ馨。それを告げれば「こういったのが好きだろうなと思って」いちいちやることが憎いです。江戸のカクテルの再現なので舶来の材料はNGと言うレギュレーションの中でやっているんですから、驚くべき事なんです。

 そして味の感想ですが、ちょっと甘いのだけれどアルコール度数もあってキレがあって、私としてはとてもおいしく頂いたのですが「まだちょっと何かパンチが足りてへんかな・・・」とマスター呟かれてます。

 どうやらまだまだマスターの考える本当の完成には届いていないようです。客の私がこれで十分と言っていても、「死ぬまで勉強」系の方ですから、完成系の漸近線を薄紙を積むように積み上げていかれるのだと思います。

 このような、ホンマモンの職人さんとのお付き合いは本当に人生の糧にになります。

 さて、明日も頑張ろう。

 

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