二輪体質
私にとってのこの一ヶ月間は、まるで時計を逆回転させたかのようなそんな一ヶ月間だった・・・
長らくオーダーしていたイタリアの二輪車がやっと日本の地を踏み、私の許へやってきた。事の始まりは、ぎりぎり独身の頃ではあったのだが、購入に関して妻との間に何もなかったと言えば嘘になります。
予約金を振り込んだ後のユーロ危機による欧州経済の低迷(特にイタリアは…)、デリバリーについて何もアナウンスの無い期間も、待つ身であればこそ、本当に長かった・・・。ただただ信じてじっと待つだけしかできなかった。 とどのつまりは、納車日もなかなか天候に恵まれず、延期による延期。最後の最後まで、目に見えない何かに待ちに待たされました。
そうして私の許へ来たマシン。本当にうれしかった。
納車されて一週間、実稼働3日で1,000㎞の慣らし運転を終え、オイル6Lとフィルター2セットとガソリン100Lをペロリと平らげ、9月末のフジ・スピード・ウェイでのスポーツ走行に挑んだのです。
レーストラックで私と共に気持ちよく走る新しく来たこのマシン。マシンはまだいけると言っているのですが、ライダーの私の方がビビッて、フジの長い直線では260㎞/hでアクセルを緩めブレーキング。結果、1コーナまでにブレーキが余り再加速するはめに。レーススピードを、目が体が思い出すまでのリハビリ運動です。
レーストラックから帰った後も、早く会社から帰宅できれば、ちょっと小一時間広域農道へ、早起きして出社前に山道へ・・・とにかくお天気が気になって仕方ない時間を過ごしています。
気持ちだけは若いつもりでいい気になって乗り回していますと、背筋、腹筋、太ももの内側の筋肉が慢性の筋肉痛となり。ひょこひょこ変な歩き方(特に階段の下り)となり会社で笑われる事もしばし。
MV効果なのか、今はその筋肉痛も消え、特別な食事制限もしていないのに、着ているものもゆったりとなり、ベルトの穴も二つ内側に、体重も納車前から比べると5kg以上も減りました。
仕事の忙しさにかまけてストレスをためたり、酒場への付き合いも多くなっていたこの三年、その事以上に二輪に乗っていなかったこの三年。結婚し子供が生まれ家庭環境が変わり、仕事も料亭プロジェクト等いろいろあって・・・なにかこの三年で忘れていた大切な事を、このマシンが来ることによって、思い出したように思うこの一ヶ月。
そうか、この長く待ち焦がれた時間は、この事に気付くに至るQuestだったのか・・・。
少しづつ二輪体質に戻しながら、忙しさや家庭の事を全て飲み込んだ上で、またライダーとしてやっていくことの楽しさを、このイタリアから来たコンパクトなマシンに教えられたのです。
そう、人生一度きり、何事もやったもの勝ちなのだという事を、本当に思い出させられたヨ。
ありがとう、F3。
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