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2009年12月31日 (木)

私を秒殺で泣かす名前

 剣術をやっておりますと、時として「三年殺し」なんて技の名前を耳にしたりします。枇杷の木から作られた木剣で打たれますと、打たれた場所の見た目は何ともないのですが、その皮下組織や内臓がダメージを受け、時間をおってジワジワと死に至らしめるという、遅効性の技なのですが、本日2009年最後のエントリーは、ちとそんな事を話していきたいと思います。

 ロシアのソユーズ宇宙船で、国際宇宙ステーションに長期滞在中の野口宇宙飛行士。日本の実験棟「きぼう」にて行われている今回のJAXAの実験は、宇宙ステーション内の閉塞空間で植物を栽培する「宇宙庭」と呼ばれる箱庭を作る~と日本のマスコミ各社が伝えています。

 ネットを徘徊し、諸々のBlogを閲覧し、野口宇宙飛行士が国際宇宙ステーションより更新されているTwitterを拝見すると事実は少し違うようです。

 箱庭を作られているのは間違いない事実なのです。その素晴らしすぎるミッションの名前が日本のミッションであるにもかかわらず、マスコミ各社にちっとも理解されていないのが口惜しくてたまらんのです。今回のJAXAのミッションネームは“Dewey’s Forest”つまり「デューイの森」と言います。SF映画の金字塔“Silent Running”から取られたこの名前、スターログ世代の私達にはど真ん中ストライクのこのネーミング。ちなみにデューイっとのはこの劇中に出てくるロボット(劇中ではドローンって呼ばれている)の1号機の名前なんです。

  ちなみに「デューイの森」とはこれだ。

 私ね、この「正式には『デューイの森』って言うんです」っていう記事を見つけた時、感動のあまり不覚にも泣いてしまったのだよ。これって国際的な「わかってるなぁ~」って見地から見ても、本当に素晴らしい銘々センスだと思うのですが、このBlogの読者の皆様ならこのセンスの良さは判って貰えますよね。ね。ね。

 さて、最後に・・・時を遡る事3年前、2006年10月29日のエントリー「セシル・Bを観て」で問うた、この映画の出演者のように映画界でリスペクトしている人の名前をタトゥーで入れるなら■■■■・■■■■■な、質問の答えを此処で発表しよう。

 もう、判る人には判っているよね。
 そう今回のエントリーで紹介したこの映画“Silent Running”の監督、”2001年宇宙の旅”“未知との遭遇”“ブレードランナー”の特撮監督にして、筑波万博の東芝館で上映された1秒間60コマの超絶映像ショウスキャンの開発者、ダグラス・トランブル御大でございます。

 「こんな質問の返答に三年以上かけるな!さては返答を忘れていたのか!」そんな事は言わないよーに。

  2009年最後の日に、宇宙開発における高い科学技術と共に、このような洒落た粋なセンス、日本の宇宙開発に関わっておられる方々のこのような幅広い知識レベルに感動させられ、来るべき新しい年が気持ちよく迎えられそうな大晦日となりました。

 それでは皆様も良いお年を。

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コメント

捨てたもんじゃないですねぇ、、人類。
Dewey’s Forestですか。

あの映画を最初に見たのは私もまだ子供のころだったと思いますが、ロボットの足がはさまっちゃって動けなくなったシーンはすっかり感情移入してしまいました。

ネーミングのセンスにも驚きました。3人の腕白坊主は私の大のお気に入りですから。

こういうセンスはBookpeopleのように細々と、でも確実に受け継いで行きたいものです。

Dewey’s Forestってネーミングはどなたの発案なんでしょうね。

ところで、松永家のヒューイとデューイ(またはルーイ)はオリジナル顔負け(笑)ですか?
ドナルドおぢさんも大変です。

投稿: yo | 2009年12月31日 (木) 14時12分

あの映画、良かったねぇ〜。

脚が挟まっちゃうのってどのドローンだっけ?

狭い貨物室で走り回るゴーカートみたいなヤツも印象的だったなぁ。

で、この作品にダグラス・トランブルの弟子の

ジョン・ダイクストラも参加していたと思うのだが

最近見た『イングロリアス・バスターズ』にも

ジョン・ダイクストラの名前が。

エンドロールで久しぶりに見た気がするんだけど

まだまだ現役だった模様。

で、スターログ世代。

創刊号を持っているワタシは多分、それにあたるのであろう。

それにしても『デューイの森』。

すばらしいネーミングセンスですな。

ヤルじゃん!JAXA!

投稿: ゾンネンキンダー | 2009年12月31日 (木) 17時20分

いや~SF映画の枠を超えて心打つ傑作ですね!!!!

私や友人がダグラス・トランブル派になり、映画小僧になるきっかけを作った作品(>_<)

天空の城ラピュタも評価の高い作品ですが、やっぱりコレに尽きますね~
又、ジョーン・バエズの歌の素晴しい事!
(君を乗せて♪もいい歌です・・ハイ)

あの日の思い出は、遠い日の花火では無かったんですね~
現実なんですね~本当に『きぼう』が一杯!JAXAバンザイ!!

投稿: zackino | 2009年12月31日 (木) 19時18分

このエントリーにコメントをくれた皆様
いや~ホンマJAXA、素晴らしいと思いました。
こんな見立てのできる人がいると言う事だけで、宇宙開発任せられる信頼感があります。
どうか、野口宇宙飛行士の実験に成果が出て、無事で地球に帰還できますように。

投稿: 松永 | 2009年12月31日 (木) 22時50分

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