今の我々が忘れてしまった味
数日前に「ツアーコンダクターみたいな事をやりました」と、このBlogのエントリーにも書いておりました。その時ご訪問させていただいたお宅に、お礼方々ご挨拶に伺ったのですが、そこの奥様と私がかかわっている料亭プロジェクトとお話となり、「将来その場で地元で取れた食材で作った料理を囲む宴をしたい~」なんてお話をしていた時、「え~っ!!話が合うがぁ~!!!私もこの土地の地産地消活動の一環で、何かのイベント事がある時にスローフード作っとるんですよ。この土地のおこわで、いなきびを入れたのだけど、このまえ作ったのが冷凍したのがあるから食べてみんさい」と、お礼をしに行きながら、お土産頂いて帰る事と相成りました。(=´Д`=)ゞ
帰宅後、レンジで「チン」して器によそおいます。今回は写真撮影も考え、普段遣いの白い磁器のお茶碗じゃなくて、お正月とかハレの時に使う懐石用の漆器のお茶碗によそってみました。
画像に写っている黄色いちっちゃい粒々がいなきびです。
それでは一口。
頂きます。
砂糖とか醤油の味は薄味なので素材の味が立っている感じ。ためしに小さないなきびの粒を、箸でなん粒か集め、それだけを食べてみます。なんと雑穀の「いなきび」って本当に美味しいです。なんと言って良いのでしょうか・・・コクとはチット違うのですが、甘みと旨みが両方あって、唾液が余分にジュワって出てくる美味しさ。そんな感じです。雑穀なんて呼んだらバチが当たりますやん。
もうね、考えていたおこわと全然違います。具としては、干ししいたけ、小豆、栗、にんじん、動物性のものは一切入ってないんですが、十分食べ応えがあります。
あぁ、雑穀として戦後、日本人が切り捨ててきた味がここに。これってほんまスローフードやないですか。
貴重なものを、ご馳走様でした。
P.S 「このおこわ『いなばおこわ』って名前が付いているんです」と帰り際に言われていたのを思い出し、ネットで検索してみれば、この方のレシピが出ておりました。
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コメント
うん。
美味そうなおこわですね。
食文化に携わる者として、食べてみたいです(笑)
あっ・・・・ただ食いしん坊なだけか・・・(汗)
投稿: 沢庵和尚 | 2009年12月 6日 (日) 01時11分
忘れてしまった味・・・忘れてはいないのでしょうが、家庭で作らない(食べない)人は、外食では食べられない(絶対?)ので、機会を失うことは事実ですよね。
また、飲食店も『ご馳走感と値頃感』はセットなので、お客さんが、田舎の婆ちゃんの方が旨い!こんなの実家に帰ればいくらでも食える、これで金取る気か!スローでもヘルシーでも関係ないの!病院の食事みたいだ!!と言う人もいます
外食に何を求めるか、価値観が多様化して大変です。(^^ゞ
投稿: zackino | 2009年12月 6日 (日) 01時58分
沢庵和尚さま
いいでしょう。
最近、食に関して今までよりも更に気にかかるようになりました。
それって良い事なのでしょうか?
zackinoさま
月一で、この施設を知っていただく為のイベントを考えているのですが、お月見の時期には因幡の国に伝わる、ご当地ぜんざいを囲む会、新米の季節にはこのようなご飯を食べる(ご当地米を水車精米で)回、新酒の時期には、庭の池に蛍が出始める時期には・・・そんな妄想を思い描いているわけです。
投稿: 松永 | 2009年12月 7日 (月) 00時43分