You、スタートで決めちゃいなよ!
それでは、GUZZIいじって幾年月・・・モトラボロの代表にして、御歳61歳の現役サンデーレーサー、神宮司忠男御大のLOC参戦記の始まり始まり。
さて、夜通しオヤジの15年落ちのセルシオぶっ飛ばして、時間通りにサーキットへ到着した私。7時のゲートオープンを待って入場。車検時間の開始はまだの筈なのですが、「車検、もう行けますよ」のスタッフさんのお言葉に、朝一車検を実施です。
朝一で、もう大きな仕事は終わっちゃいました。物凄い良い天気だったので、ピットを取らずジンさんと広いパドックの駐車エリア、トランポを置いた直ぐ近くにマシンを止め、トランポのリアゲートを開けっぱで、そこに工具箱を展開、折りたたみ椅子を広げ、V7レーサーの周りで、「最近の景気は~」とか「モトラボロの新しいHPを~」とか~うだうだ話します。
そんなこんなで時間は経ち、マシンをウォームアップエリアに押して行き、暖気を始める事にしました。
ジンさんのV7レーサーは旧車のレギュレーションに乗っ取ったマシン作り。キャブもチョークとか、加速ポンプが付いていないティクラータイプのデロルトちゃん。
つーことで、エンジン始動に儀式が必要なんです。
ガソリンコックを捻って、キャブにガソリンを送り込み、ティクラーをエイッエイッって弄ってオーバーフローさせて・・・んっ・・・オーバーフローさせて・・・あれ中々来ないな・・・どうだ、エイッ!
ドバッ!!
・・・あ゛~っ!!!オーバーフローし過ぎです。しっとりお湿り程度で良いのに、ドバッって・・・なんて加藤鷹な私の右手の人差し指(/ω\)ハズカシーィ。
気を取り直して、今の「ドバッ!!」でプラグがかぶっていない事を祈りつつセルを回します。
キュ・ボッ・ブブブブッ・・・・
ホッと一息、セル一発で始動しました。
スーパートラップ・サイレンサーなので、「ブブブブッ」って言うあの排気音です。
そうしていると、もう一人のピットクルーdb1さんも到着。
ジンさん、db1さん、そして私の三人がココにそろい踏み。もうねこの状況、洋楽好きで英語の歌もドンと来い!な歌上手のdb1さんが“♪One for each other and all for one the three brave Amigos are we. Brother to brother and every one a brave Amigo♪”な~んて、歌いだしちゃうんじゃないかと思いました。(笑)
冗談はさておき、暖気をしていると、何だか、ちとガスが濃いような・・・「ジンさん、これちょっと濃くない?」と、問えば、ジンさんはイケネッ!って顔をしながら「春の筑波を走った時のままだけど、このエンジンは圧縮も上げてないし、カムもメガサイクルのスポーツカムだけどストリート用のヤツだし、あんまりナーバスな作りじゃないから、それに薄い方じゃなくて濃い方だから大丈夫」との事。GUZZIの事でジンさんにこれ以上言うのは釈迦に説法と思い、予選はこのまま行く事にしました。
で予選時間となり、ジンさんをコースに送り出します、我々はピットウォールから観察です。
やっぱり・・・ストレートを駆け抜けるノートがなんだかパリッとしてないんです・・・回転が少し重いような・・・やはり濃いのか。
それでもジンさん、最終ラップにタイムをまとめ、総合四番手LOCクラス三番手です。ちなみ一位は現代のハーレーで競われるCSSCの車輌です。総合二位LOCクラス一番手には、リトモ・セレーノ中島代表の駆るMOTO GUZZI V7アンバサダー、総合三位LOC二位にはホンダのCB500がつけています。
ちなみにジンさんのマシンはV7SPORT(左)、中島代表のV7アンバサダー(右)って言うのは同じV7という名前を持っていても、一つ前のタイプ。フレーム構造が全く違っていて、愛好家の間では、アンバサダーのフレームはループフレームと呼ばれ、SPORTのフレームは私のLeMansも全く同じトンティ・フレームって呼ばれているやつなんです。ちなみにV7のVはV型エンジンのVじゃなくて、Veloce(速い)のVなんだよ。昔、イタリアで流れていたGUZZIのTVCMでそう言ってました。
さてさて、ジンさん帰って来ました。「調子どう?」と聞いてみれば、「いや~4月から走ってないから、まだまだ様子見」ココで意を決して「やっぱりストレートのところで音を聞いていると、ちょっと濃いと思うんだけど・・・」するとジンさんプラグを外しプラグの焼け具合を観察し「松永君の言うとおりちょっと濃いかな・・・でもな・・・(考え中)・・・まあ、コレでいきます」と。
で、午前中のお仕事はコレにて終了。私は糸の切れた凧みたいに大好きな旧車の間を行ったり来たり行ったり来たり。小一時間プラプラして、お昼近くにdb1さんから「お昼食べよう」と声が掛かります。レストランまでの道すがら「まっちゃんがどっかに行っている間にね、ジンさん、予選のリザルト表もらってさ、思っていたタイムが出てないのと、リトモの中島さんに負けているので、それを挽回したいがために、まっちゃんの言っていたようにメインジェット絞ったんだよ」と、db1さんから報告。二人して「くっくっくっくっ」って、チキチキマシンのケンケンみたく笑ったのでした。
そんなこんなで決勝の時間と相成りました。手押しでマシンをグリッドにつけます。
ちょっと前からジンさん言葉少なになってきています。多分「得意のスタートでやってやる」と企んで、テンションをスタートに向けて上げているのが、ひしひしと感じられます。
「ひしひし」・・・ちょっと違うな。そうか!「ざわっ・・・ざわ・・ざわby福本 伸行」コレも違う。それでは「ゴゴゴゴゴッ!by荒木 飛呂彦」なのか!(←そんな事はどうでもいい)と、ヲタな皆ならこのニュアンスわかるよね。そんな事を考えちゃうような空気が漂っているのだ。
で、スタート前のグリッド上、選手紹介の時に「パシャ」っと一枚。
ウォームアップラップのスタート二分前で、ピットクルーのコース退出がオフィシャルのけたたましいホイッスルの音に促され始まります。
一分前でエンジン始動、グリッドの一列づつ、ウォームアップラップが始まります。フジはコースが長いんで、スタートグリッドに帰ってくる間までに時間があります。
急ぎdb1さんと私の二人は、それぞれが決めていた観戦ポイントへ猛ダッシュです。
db1さんは1コーナー入り口、私はコースの1/3見渡せるであろう、ピット建物の最上階展望席へ向かいます。しかし建物屋上の展望席までの階段ダッシュが辛いったらありゃしない。最後は気合を入れて腿上げをするような感じで、ヒーヒー言いながら屋上到達。
ちょうど、赤旗を持ったオフィシャルがグリッド最前列から退出するタイミングでした。
ここからジンさんを見れば、上体をタンクに伏せています。ココで私は展望席からジンさんに向かって「You、スタートで決めちゃいなよ!」って呟いてみました。
そしてレッドシグナルが点灯・・・シグナルオフ。
スタートです。
あわわわわ、文章が長くなりました。こらから後は、明日のエントリー「1コーナー入り口で『キターッ!!』を叫ぶ」につづきます。
お時間もよろしいようで・・・。
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コメント
花札でもしますか。
http://natalie.mu/comic/news/show/id/20938
投稿: Ken@PASO750R | 2009年9月10日 (木) 12時54分
kenさま
kenさんスタンド使いでしょう。
The worldで時間止めるのは止めてね。
投稿: 松永 | 2009年9月10日 (木) 22時21分
うんにゃ、止めたる。
http://www.youtube.com/watch?v=YetEjfsVMW0
投稿: Ken@PASO750R | 2009年9月10日 (木) 23時58分
Kenさま
負けた・・・今回ばかりは負けた・・・。
投稿: 松永 | 2009年9月11日 (金) 00時10分