メルセデス・ベンツの決意表明
1885年、「馬無しの馬車」として、ガソリンエンジンを動力とした世界初の自動車と言われている(フランスにはフランスの言い分があって諸説あります)Benz Patent Motorwagenです。
実はこの車には面白い伝説が残っています。
1888年、この車を作ったカール・ベンツの妻、ベルタ・ベンツ夫人。夫の発明品をデモンストレーションのため、夫の寝ている間に15歳と14歳の息子を連れ、この車で106kmに及ぶ史上初の長距離自動車旅行出かけたのです。
ただ、発明されて手間も無いこの「馬無し馬車」、メカニックとしての技量も彼女に求めたのです。彼女の帽子を髪に留めているハットピンは、キャブレターのクリーニングツールとなり、途中の街では燃料のガソリンを求めて(この時代にはまだガソリンスタンドなんてありません)薬局を訪ね、度重なるドライブチェーンの切れを修理し、革製のブレーキライニングを何度も換えながらと、とても大変な行程だったようです。これぞ内助の功!!!
このような先人の苦労の上に、今の我々が教授している現代のモーターリゼイションがある訳なんですね・・・ヽ(´▽`)/。
で、史上初のガソリン車を世に送り出したこのメーカー、こんな車を発表しました。
Mercedes-Benz’s F-CELL Roadster Conceptです。
この前のエントリーから燃料電池車づいていますが、私のアンテナに引っかかるの仕方ないです。
特筆すべきはその操舵方法。ドライブ・バイ・ワイヤ方式による、ジョイステック運転とのこと。
そう言えば、数年前のメルセデスのコンセプトカーに、「運転者の安全性を考えるとハンドルはベストと言える操舵装置ではない」との考えによる、ジョイステック方式の車がありました。ずっと続けて開発してたのね。
流石であります。
しかも、この車の開発スタッフはダイムラーA.Gの研修生が、そのスキルアップのために集められたプロジェクトとの事。その辺は前のエントリーで紹介したBentleyのこのレーサーの開発手法と同じですね。
これら老舗は、これからの若者を大事にするのぅ~。
それにしても、この車、先に紹介したBenz Patent Motorwagenのモティーフがそこかしこに見え隠れしていますよね。
最新の燃料電池車技術車をBenz第一号車のモティーフで作ってくるこの企画・・・、車好きの私としては、メルセデス・ベンツの「我々がガソリン車を作り、ガソリン車の次のステップへ誰よりも早く・・・」と言ったメッセージを感じずにはいられませんよね。
パイオニア精神いまだ衰えずであります。
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コメント
先日フランクフルトでメルッェデスのタクシーに
乗ったのですが、ドイツのクラフトマンシップが生きた
すごくいい車だと感じました。
ボディの剛性、足回りのセッティング
トランスミッションの的確さ、エンジンのパワーと伸び
すべてにおいて日本車を凌駕するものだと実感した次第です。
いやぁ・・・恐るべしメルッェデスです。
投稿: 沢庵和尚 | 2009年3月27日 (金) 02時10分
沢庵和尚さま
いや~このエントリーのようにベンツを認めているのですが、じゃ欲しいいか?となれば「う~ん・・・」となってしまいます。
剛性が低かろうが、シフトフィールが蜂蜜ビンの中に突っ込まれたスプーンのようと言われようが、買うならやっぱりイタ車が良いです。
沢庵和尚もGUZZI乗りですから、そうでしょう。(◎´∀`)ノ
投稿: 松永 | 2009年3月27日 (金) 23時41分
ドライブ・バイ・ワイヤ方式による、ジョイステック運転!!なんか楽しそうですねw
ハンドルもABCペダルも過去の物となり、ヒール&トゥも、鋭いカウンター・ステアも忘れられ、将来的に高橋名人やプロ・ゲーマーがF1パイロットになったりすると面白いですね。
あっ・・・小学生に勝てなくなる日も近いのか??
投稿: zackino | 2009年3月27日 (金) 23時46分
zackinoさま
日本車は、センターコンソールにWiiとかプレステのコントローラーがUSBポートで接続できる電気自動車を売れ出せば、ゲームで路上教習ができるように・・・( ´_ゝ`)フーン・・・なるわけないですね。
一人ボケツッコミでした。
投稿: 松永 | 2009年3月27日 (金) 23時53分
それはわたしに対する・・・以下略。
投稿: 瓶星@F1開幕戦 | 2009年3月28日 (土) 18時55分
瓶星さま
(・∀・)ニヤニヤ
電気自動車実用化の暁には、PSPやDSがデータロガーして使えるライトウエイトスポーツカーをキボン。
別にモーターの出力やサスセットを変えられるとかじゃなくて、自分がどう運転しているか、後で客観視できるやつ。
「もっとこうした方がいいじゃん」とか、好きモノ同士の酒の肴になるやつだと、いーよねっ!
投稿: 松永 | 2009年3月28日 (土) 22時25分
未来のクルマチューニング雑誌の記事は
コイルを巻き直したとか、磁石を強力なものに換えたとか
になるんでしょうね。
あっ、RCマガジンとスケールが違うだけで
内容が一緒だ( ̄ー ̄)ニヤリ
投稿: kuwa | 2009年3月30日 (月) 00時21分
kuwaさま
でも電気自動車は何気にブラックボックス化していて、チューンは出来なくなるような気がします。
サードパーティーによるリバースエンジニアリングが主体になるのか。
そう言うのも面白そう。
投稿: 松永 | 2009年3月30日 (月) 00時27分