リアリティーとノスタルジーの間(はざま)
昨日のエントリーで朝一で松江に行く事を書きましたよね。
地元の日テレ系の地方局開局50周年イベントに行って来たんです。
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実はこのテレビ局、お仕事の取引先なのです。
丁度、ITAMIさんのお手伝いをした翌日の月曜日の事・・・。
仕事で局に伺っていた時に、何気なく局内に貼ってあるポスターを見ておりました。そのポスターの中ほどに、申し訳ない程度の小さな文字で「燃料電池車試乗会」とあるではないですか。ほんとに控え目に。
偶然にもこの小さな8文字を見つけた時、肌が粟立ちます。これって天啓なのかっ!何時?何処で?心の中でスケジューリングが始まっています。なんとしても体験してみたいと。
なぜにこんなに胸騒ぎがしたかといえば、実はこの前日の日曜日、ITAMIさんとマン島TTについてサーキットのピット内で話した内容の中に、今年のマン島のレースから、電動バイクのレースが始まると聞いていたからです。(正確には電動バイクだけではなく、水素を燃料とした内燃機関&ハイブリッドシステムもOKみたいね)
でその電動バイクレース“TTXGP”についてはコチラをどうぞ→■(ポチッとな)
それで、「天啓待ってろーっ!!」と馬鹿なロボットアニメの主人公みたく、朝5時に起き松江くにびきメッセ詣が確定いたしました。
気合が入り過ぎて行動は空回り、開場一時間前には着いてしまった┐(´д`)┌ヤレヤレ。でも楽勝で駐車場に車が停められました。テレビ局の皆様もに、一通り挨拶をし終わり開場を待つ間に目的の燃料電池車を発見。
←すいません、これ間違い。
これだっ!
トヨタのクルーガーをベースに改造がほどこられているようです。いつもの引っ付き病が再発、貼り付いて一人観察大会です。路面に膝をついて床下を覗き込みます。燃料電池スタックや配管が見えないように、まるでF1かスーパースポーツの空力パーツのようなフラットボトムの形状になっていてデバイスが隠されています。なので結構腰高に見えて、その実、最低地上高が低いんですよ。
ボンネットの中もこのようにカバーに覆われていて何がなんだかわからなくなっています。ただラジエーターグリルから内側を覗くと、ラジエーターが確認できます。発電時、燃料電池も発熱すると聞いております、その冷却用でしょうか。
聞けば、ガス会社のIwatani社が水素時代の到来を見越しての展示、試乗会だそうです。
会場に着いたのが10時前、試乗会は11時半からとなっています。その間セグウェイに乗ってみたり、会場をブラブラして時間をつぶします。
早速(σ・∀・)σゲッツ成功。うぉー私は今猛烈に感動している。
ぅぉぉぉーヽ(゚ω゚ )ノヽ( ゚ω゚)ノヽ(゚ω゚ )ノぅぉぉぉーヽ( ゚ω゚)ノヽ(゚ω゚ )ノ ぅぉぉぉー勝手に盛り上がってまいりました。
終に、試乗時間、「え~と、免許証を見せるんですか」との私の問いに「すいません、運転はできません。普通の運転免許だけじゃだめで、メーカーの運転免許証も必要なんです」・・・マジすか。(;´д`)トホホ…未来の車は敷居が高いのう、ちなみにこの車のお値段およそ1億円。こういった意味でも敷居が高いです。運転させてくれるわけ無い。
でも、助手席を陣取り、スタート手順を観察君です。
Iwataniの社員の方がキーを差込みスタート位置にひねられます。コンソールのメーターパネルに「パッパッパッ」とランプがつきます。でもそれだけ、な~んの起動音もしません。もちろん「ブオンッ」てな感じのエンジン音はある訳ない。エンジン付いてないんですから。
オートマチック用と同じシフトノブをDレンジへ、そして、「スッ」と音もなく走り始めます。すごい本当に静かです。しかもトルクフル。オヤジの20年落ち4LV8のセルシオよりもトルクがあるような。速度が上がっていっても、聞こえるのはタイヤノイズのみ。この静けさ、これじゃ、まるでロールスじゃないか。走行性能は今の内燃機関の自動車と比べても余りあるものがあります。
宍道湖沿いの公道ショートコースを走ってもらって、10分弱の試乗が終わりました。
カルチャーショック!!!ナンダこの乗り物!!!
今回の燃料電池車と今の内燃機関の自動車と比べた事を説明するとすれば、蒸気機関車と新幹線くらいの違いがあります。
良い事ばかり書いては提灯記事となります。待っている間、Iwatani社の社員さんに聞いてみた質問のひとつに、燃料タンクについての事柄がありました。
この車、燃料を圧縮水素を使っているのですが、水素は一番小さな分子構造を持つ(何しろ元素番号1番だからね)事から、タンクから徐々に漏れていってしうそうで「一週間も乗らないでいると、燃料が無くなっている」てな事になるそうです。圧縮水素を燃料として使うダイレクト式燃料電池車として、今一番欲しい技術ブレークスルーは、このタンクをどうするかって言う事だそうです。
でもこの未来の車、本やネットで色々な情報(マン島の事もその一つとして考えても)をまとめてみると、もう10年先の技術として来ているような感じがします。となると、私が50歳を迎えた頃、普通にそこにあるような存在となっているのでしょうか・・・でもその時、今の我々が蒸気機関車に抱くようなノスタルジーを、内燃機関の自動車に感じる・・・そんな時代となっているのでしょうか。
これはもう「時代の流れとして、来るべき良い物は認めなきゃいけない」って事はわかるのですが、そのような考えとは別に、30年前のハイメカチューンOHVのエンジンの二輪車でサーキットを走り、ソプラノで歌う四気筒の声を愛し、リアタイヤをスライドさせながら、峠を攻める友人のイタリア車の助手席で歓喜の声を上げるこんなオールドタイプな私は「あのメカノイズやエグゾースト・ノート、振動が無くなるのか・・・普通の人には、確かに騒音としてしか思われてないんだよな・・・」そう思うと、胸の奥がなんだかキュンと痛くなるような、ちょっと切ない・・・そんな感想を最後に持った試乗会となりました。
でもね、もう一度言いますが、本当にすごい車だったんですよ。多分、私達が思っている自動車という概念を大きく変えちゃうくらいの・・・。
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コメント
すい・へ~・り~・べ~燃料電池♪
来るべき未来!チョット前は坂で冷や汗かく事もあったと聞きますが、東京電力のスバルR1も快調に走ってますし、
ゼロ・エミッション・ビークルは人類を救う?と信じたいですね。(*^_^*)
でも、松永さんの言う通りで、私の周りの愛好家(2輪4輪)も皆、今のうちに○×△□買っとけ!なんて焦ってるんですよね、
東京モーター・ショーで貰った日産のプログラムの表紙はGTR、裏表紙はPIVO2、内燃機関の終わりと電気自動車の始まりを象徴してました。
電気モーターの強力なトルクを更にマブチ・チューンしてリアルサイズのミニ4駆も面白そうですが、内燃機関が廃れて
放出されたら・・・・ニヤリとする人が生きてる間は無理でしょうね。
投稿: zackino | 2009年3月21日 (土) 00時56分
zackinoさま
ちょうどkuwaさんと、「タミヤが実車チューナーになる日は近い。そうなると滝博士は実車の神になっておられて、ヤング・コロコロ・コミックって言う青年誌が発売になっていて、オジサンになったダッシュ!四駆郎が、首都高舞台の燃料電池車チューナーになっている漫画が連載されている」
そんな話をほんの30分前に話していました。
投稿: 松永 | 2009年3月21日 (土) 01時04分
AUDIO BASIC誌おまけのCD、中国の蒸気機関車「前進号」の5動輪の音を聴いて感激しております。
投稿: どじょっこ | 2009年3月21日 (土) 02時48分
1億円コストのIwatani製と180万のインサイドと
どんな物差しで比較したらいいのだろか。夢への対価が高すぎるようだし、得られるものは?・・・サイレントとクリーン。製作までに発生する沢山の環境汚染を考えると・・・近未来ではまだ非現実?夢と現実をもう少しだけ接近させたいのは加齢の所為かな。
投稿: KAZUYA | 2009年3月21日 (土) 04時47分
どじょっこさま
今でもあると言えあるのですが、来るべき近未来、内燃機関音源として、ホンダ6だとか、フェラーリV12コロンボユニットのノート音が発売されるかもです。
ちなみに昔紹介した、ヴィンテージモーターサイクルの音源集はこちら。
http://www.vintagebike.co.uk/Sounds.htm
KAZUYAさま
Iwatani製じゃなくてトヨタ製なんですよ。
燃料会社のIwataniが購入して、インフラ整備の確認、諸々の動作試験をしているようです。
既存のシャーシーを流用していますが、やはり一台一台手組みのプロトタイプなので、一億円と言われればそれは仕方の無い金額かと思います。
ラインに乗った市販車と価格を比べるのは、ちょっとかわいそう。
ただ、燃料電池はNASAが宇宙船で何十年も使っている確立された技術です。
これを何とか自動車に搭載できれば、本当に素晴らしい乗り物が出来るのですが。
コストダウンと、燃料をどうする(気体の水素or液体の水素、家庭用の燃料電池のように改質器を使ってメタン等から水素を取り出す)のかってのが残された技術ブレークスルーなのでしょう。
充電タイプの電気自動車は、電池をリース方式として日産が乗用車として常識的な価格で今年のうちに売り出すようですが、航続距離と充電時間をどうクリアするのでしょうか・・・。
興味津々です。
投稿: 松永 | 2009年3月21日 (土) 10時05分
確かに興味深い話題ではあります・・・
でも ワタシ蒸気機関車が好きだぁ
週末のガス臭さが残るトランポで
仕事に向かうのが好きだ!
いつまでも生命感が溢れる鉄の馬に乗り続けたいです
投稿: ナガヤン | 2009年3月22日 (日) 21時59分
ナガヤンさま
これからますますオールドタイプには生き辛い時代がやってくるようです。
ニュータイプの目覚めはいずこ。
ララァ・・ララァはわかってくれるよね。←馬鹿
投稿: 松永 | 2009年3月23日 (月) 01時32分