八ヶ月のギャップ
八ヶ月・・・250日、昨年の秋のモトレヴォ終了時には思いもよらないほどサーキット走行にご縁の無かったこの期間。今年になってから会社の人員削減で、ゴールデンウィーク明けくらいまで土曜日完全休日が無くなっちゃう程の思ってものみなかった忙しさ。そして数少ない走行チャンスは、急に大切なクライアントの約束が入ったり、はたまた悪天候で走行会中止になっちゃたりと、見えない力がインターセプトしているかの如くの状況。
それがやっとです。先週のお天気の状況を鑑み、絶対日陰で作業したい私。走行は9時からだかけど絶対ピットを取りたいので、サーキットのゲートオープン時にはゲート前に居られるように3時半起きの、4時出作戦なのだったらなのだ!ゲート前に到着。「・・・・」思ったほどトランポが居ない拍子抜けするほど楽勝でピット取れました。土曜の走行枠なのになんで・・・それほど走る人が減っているのか、だけどそうこうチケット買いに行った事務局窓口では「走行枠満車ですよ」 とのこと。みんな走行時間ギリギリに来るの?どうなっとるんじゃい?おっちゃんには解からん。
とまあ走行までに時間があるのでパドック内をブ~ラブラ。ミニモトの走行枠があるので結構ミニな方が多いです。四輪の貸切ピットの方に行ってみるとランボルギーニが居ます。辺りを見回すとランボルギーニの黒と黄色の吹流しがいっぱい立ててあります。どうやらランボルギーニのドライビング・スクール行われるようです。
ガソリンを買って必要量だけ量りそれを燃料タンクに入れ、起動用バッテリーを繋ぎ、エンジンを掛けます。前日、トランポに積み込み前に、過去データよりざっくりキャブセティングをしたのですが住宅地の真ん中で高回転まで「バインッバインッ!!」出来なかったのでここでもうちょっと様子見です。
・・・・どーも調子よくないです。ニードルからメインへのつながりがよろしくない・・・過去データもう一度見直すとそんなはずは無いんだけど?アクセルをゆっくり開けていき、どのくらいの開度でおかしいか調べます。下は無問題、1/2~3/4開度までがさついて、そこを超えるとまた気持ちよく回ります。なんだ~こりゃ、問題はニードルなんだけど・・・下が「大丈~夫」(By青影)ってことはストレート径は間違いない、ちゅーことはテーパー角か?でもな・・・「はっ!」取り付けていたジェットニードルを取り外して番手確認。
ガックシ・・・もう舌噛んで死のう・・・OCEMSをつけていたつもりがOCDMSを取り付けていました。老眼か!ちゃいます最後のSだけ見てたんです。ケアレスミスもいいとこです。走行前チェックで解かってよかった。ニードルをOCEMSに付け直しもう一度エンジンを掛けます。
「キュルル・バァ~ンッ!!バゥーン!バゥーン!」これだ!この感じ、ウヒヒ、テンションアゲアゲになってまいりました。
そうしていると、広島のハレンチーノ・イッシーさん登場です。会うなりヤマジュン・ネタの応酬・・・今日もギャグ・スリッパークラッチの切れ具合がよくないようですな・・・w。とこんな感じなんですがこのご本人、本当は凄い繊細な方。
銀河鉄道999につけたアンダートレイがエキパイに近いのが相当気になられているようです。「大丈~夫!(二回目)私のなんて三箇所がエキパイにあたってますから」と伝え、現物をチェックされるとやっと納得された模様。
ハレンチーノさんの相手をしていると、お手伝いをしてくれるhey君も登場。そろそろ革ツナギに身体を詰め込んで走行に備えます。
今回はフロントサスペンション周りを大幅に変更しています。ピットからコースインのまでの道のりで「げっ今までに無いハンドリング。ヤバイかも」って感じます。最初の一周は各部をチェックしながら流します。空燃比は、ブレーキは、ライダーのスピード感(これが一番ダメ)は。
2周目からペースアップです。
ぐぁぁぁ曲がりすぎです。2コーナーで早々とイン側の縁石に向かってマシンが向かってきます。前のロシナンテと同じ入力がダメってことです。ここで一気にビビリスイッチが入っちゃいました。二周ずつに分けて各コーナーのチェックです。例えばこの周は1コーナーから2コーナーにかけてのマシンの曲がり具合を真面目にチェックして、あとは流す。これが終わるとアトウッドとヘヤピンをチェック数周。この次はパイパー&リボルバー、次はダブルヘアピン~マイクナイトと最終まで、てな具合です。そして最後にコース一周を先ほどの練習を振り返りながら繋げて行きます。
「ぷぷっ!初めて乗るんじゃないんだから」そんな声が聞こえてきそうなんですが、あまりのハンドリングの変わりっぷりに、今迄のロシナンテのハンドリングイメージを消去して新しく上書きしないといけない位なんです。
30分なんてあっと言う間です。もうチェッカー。ピットに戻りサスの残ストとか確認。タイムも出てないし全然攻めてないのでまだまだ余っています。でもこまった・・・全くロシナンテとお友達になれていません。こりゃサスセッテイングがどうのこうの以前の話です。もうひたすら周回してマシンなりを知り、よくなったコーナリングにあわせてライダーの目もコーナースピードに慣れさせるしか方法はありません。
大体のコーナリング特性は解かりましたので二本目以降は通しの練習を・・・「なんじゃこりゃ!!」コース上大渋滞です。皆さんおっとりがたなで四枠からご出社のようです。2C枠ですのでナンバー付きの国産リッターバイクとか600が多いです。ツーことはどういうことかというと。直線でバビューンと抜かれてコーナーで一時停止する位のブレーキング。ゆっくりコーナリングされて立ち上がりまたバビューン。コース上込み込みなのでそれが各コーナーで・・・でも2C枠なんだから仕方ない。マシンに慣れるだけでなく、八ヶ月にも及ぶお休みから帰ってきたライダーのリハビリもかねての走行です。コースが込んでいるのでマージンを取りつつチェッカーまで一周でも多く走るのみです。そうしていると目の前、最終コーナーに一団となってアプローチする6台の集団。マシンの間隔と、各ライダー技量の差具合を後から見ていて思いっきり何か起きる雰囲気ありありです。「ちょっと近付くの止めよ~」と思った傍から、立ち上がりの加速区間で600のGSX-Rに後続のCBR1000がオカマ掘って二人とも転倒。(私の斜め前)「あ~やっちまったな、しかもあの青いGSX-R隣のピットの・・・」っと首を振りながらホームストレートを走って1コーナーポストを見ると赤旗です。
ピット作業エリアの日陰で赤旗解除になるのを待っている数分間、ハレンチーノさん「いや~DUCATI乗ってこんなに楽しいサーキット走行したのは初めてです。課題だった2分切りも出来て何も言うことないです」なんて言われています。「なんだかこの走行枠がもう終わったようなこの物言い。ひょっとしてこの赤旗を期に走行辞めるつもりじゃ・・・」(私の心の声)そうはさせるかとばかり「じゃあ赤旗解除後、ハレンチーノさんの走行を後ろで見ているから一緒に走ろうよ」と水を向けます。
コントロールタワーにグリーンのランプが灯りました。コースインが始まります。ハレンチーノさんを前に行かせ、そのちょっと後を私がついて行きます。ギャー!!流石スーパーバイク、裏の直線、999鬼のような加速です。差がついて行きますがヘアピン前のブレーキングとインフィールドで辻褄を合わせます。後ろから見ていてハレンチーノさん気持ちよく走っているのが手に取るように解かります。今日の私はタイム的にはダメダメですが、周りの状況は良く見えています。ひょっとしてジンさんが気を利かせてロシナンテのフレームをサイコ・フレームにしてくれたのかもしれません。と言うよりもこの高温の中、30分集中力が切れる事無く走れるのは毎日の筋トレのおかげです。200kgのレッグプレスは無駄ではなかった。(涙)
とまあこのような感じで30℃を超える中での八ヶ月ぶりの愛機でのサーキット走行でした。練習後ジンさんに電話報告すると。
私「正直、マシンが思ったよりも旋回して怖かった・・・SUGOの時にジンさんから借りたブレーヴァ・レーサーの時見たく」
ジンさん「あれでも控えめなんだから。味付けとしては前の松永号と俺のブレーヴァの中間なんだよ。でもちゃんとオートバイから曲がっていこうとするでしょ。松永君転倒が続いたじゃない。あれって曲がらないオートバイを曲げようとして一生懸命になって、結果転倒しちゃってるんだと思った訳よ。だから曲げるオートバイじゃなくて、曲がるオートバイに仕立て直したの。あとは乗り手の慣れです。曲がらないオートバイにずっと乗っていたから戸惑うのは解かるんだけど、乗ってください。早く慣れてください。練習してください。早くそのマシンで1分50秒切ってください」
と言う事で、レースまでの私の課題はこの一点なのです。
レースまでに後二・三回は練習走行すべし。初心に帰り「一にも二にも練習です」これだっ。さ~て、日程をどうやりくりをつけるか。ふ~ん。(鼻息)
過激になったロシナンテと、ちゃんと友達なりたい今日この頃です。
P.S サーキットから家に帰ると、7月20日、フジで行われるMV Agustaサーキット走行会の受理証が届いていました。第一項の「目的」の欄が大人です。流石MV!痺れました。
本イベントは、お客様にオートバイ趣味の「乗って楽しむ」という部分を「サーキットを走る」という事で、より深く安全に楽しんで頂くためのものであり、周回タイムの速さや技量を競う「レース」や又その練習の機会ではありません。
旧いアメリカでのサーキット走行を堪能してきたいと思います。
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コメント
よかったですね~、走れて。
真っ白松永さんです。黒はすっかり影を潜めて(笑)。
バイクに乗っている話を書いている松永さんは一番輝いて嬉しそうなのが伝わってきます。
寝不足にはご注意を。
投稿: yo | 2008年7月13日 (日) 17時30分
yoさま
嬉しいのは間違いないんですが・・・ちょっと凹みました。
「オイラを置いてきぼりにするなよ」てな感じがするくらい愛車が進化していたんで・・・。
投稿: 松永 | 2008年7月13日 (日) 21時59分
今日は、随分楽しまれた様で、何よりです。
ロシナンンテ号は、更に素晴らしいハンドリングのマシンに、調整されたのですね。
私も、SSちゃんを進化させて、タイムアップを図りたいのですが、何処からどうして良いのやら。
只々、練習するだけでは、行き着けないのでしょうね。
投稿: クニちゃん | 2008年7月13日 (日) 22時24分
大変お世話になりました。目の前が開けましたYO^^
投稿: ハレンチーノ | 2008年7月14日 (月) 01時03分
クニさま
楽しかったのは楽しかったんですけど、タイムは出てないダメダメぶり。
ジンさんも「いきなりタイム狙うと無理して→転倒がいつものパターンなので、無理せず先ず目をレーシングスピードに慣らしなさい」と言われていました。そして「こまめに練習に行くように」と。
今の私は「只々、練習」がサンデーレースタイムアップのための一番の近道だと思うんですが。
投稿: 松永 | 2008年7月14日 (月) 01時07分
ハレンチーノさま
先ずオートバイに乗るのが好きで走っているんですから、楽しみましょう。
それが一番ですよ。
投稿: 松永 | 2008年7月14日 (月) 01時09分
レースまでに一度ご一緒したいです
ひっぱりますよ、ウフフフフフフ~
投稿: TENGA番長 | 2008年7月14日 (月) 09時21分
TENGA番長さま
> ひっぱりますよ、ウフフフフフフ~
そんなことはさせん。後一回リハビリして、それから番長と勝負じゃ。
投稿: 松永 | 2008年7月14日 (月) 12時07分
では私はKTMで鍛えておきますよ、ウフフフフフ~
投稿: TENGA番長 | 2008年7月14日 (月) 23時14分