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2008年6月 7日 (土)

「きぼう」と言う名の希望

 星出飛行士(宇宙飛行士にこれ以上無い名前だよね)の国際宇宙ステーションでの活動がNEWSで掛かるたびに、今までやっていたことをピタリと止め、固唾を飲んでじっとTV画面を凝視してしまうここ数日の松永です。

 最近の我が国の閉塞感を肌で感じつつ、この宇宙実験施設「きぼう」の国際宇宙ステーションへ無事設置完了の報がNEWSで伝えられると、今迄感じていた閉塞感にピンホールほどの穴なのですが、そういった突破口が穿たれたように感じているのです。

 突然ですが「科学技術のブレークスルーは戦争によって起きる」そんな言葉があります。

 これは歴史を振り返れば、否定しようの無い事実として存在します。このBlog読者の方々の興味のある話題でお話させていただくと、昨今の四輪のレース、GTでもF1でもラリーでも良いです、それらのレースのトップカテゴリーに出走しているマシンの生産国は何処ですか?ドイツ、フランス、イタリア、イギリス、日本、アメリカ・・・現在の国連加盟国が192カ国あって、その中でたった6ヶ国!!6/192なんです。

 振り返ってこの6ヵ国を見れば、第二次世界大戦の当事国で、尚且つ戦後に共産主義を選ばなかった国々です。そう、今の状況を見ると勝った国も、負けた国も、半世紀超える前の技術の利息で、先進国たりえていると言いえないでしょうか。戦勝国の中には、その後も戦争に次ぐ戦争を重ね、新素材、加工法、制御等、科学技術を益々磨いていったのはご存知の通りです。私が「MIL SPEC!!!うぉ~っ!!!」なんて言っているのがその一つですね。

 勿論、だからと言って戦争を美化したり肯定したりするつもりではありません。(キッパリ)

 でもなぜ、戦時に既存科学の転換点を向かえるようなポイントがあるのか?それは、研究目的達成のため、一私企業が用意できないほどのバジェットが国家予算で組まれ、最高の頭脳、最高の研究機関で短時間に結果を求めるシステム作りが行われるからだと思うのです。

 「それじゃ、戦争のように人の血を流す事無く、平和の世の中で、科学のブレークスルーを促進する道筋って無いの?」

 私は、それが宇宙開発にあると思っているのです。

 実際にNASAの開発によるこのような科学技術が、民間へ下り、様々な製品となって我々の周りにあふれているではないですか。

 そのことについてNASAはHPを持っています。ココをポチッと→

82 敗戦国であったがため、自国単独での航空機の開発を事実上取り上げられ、宇宙開発分野も、先達達に何十年も差をつけられた状態である日本。今回、日本人のミッションスペシャリストの手により、日の丸をつけた日本の宇宙実験施設が国際宇宙ステーションに設置され、これから此処で行われる実験で如何程の科学の進歩が起きるのか、期待せずにはおられないのです。宇宙事業をやっていたか、どうかで、半世紀後の国のポジションがおのずと決まってくる、そんな重要な時期だと思うのです。

 やっとです。やっと日本にも宇宙に活動の場が出来たのです。(涙)

 これから先、日本の政治が大きく変わり、今の野党が与党となるような事が起きた時、近視眼的な理由で「前政党が決めたこの実験予算は無駄である」なんて事で、これらの実験予算打ち切りなるような事があってはならないのです。「国家百年の計」として、超党派でこのような日本の科学技術の未来を守れば、後の世代に利息となって帰ってくるのは間違い無いのですから。  

 アメリカで惑星探査の第一人者だった故カール・セーガン博士は「惑星探査に使われた1ドルは、7ドルとなって国家経済に戻ってくる」と、氏の著書に書かれておられます。

 今、私は、「きぼう」という名の希望に、明日の日本を託してみたい気持ちでいっぱいなのです。    

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コメント

カプリコン1(笑)

「アポロの放送でルーシーショーが中止になったとTV局に苦情の電話があったんだぞ。それも(ルーシーは)再放送だ!」

っていう感じのセリフがあったはずです。

あの映画で一番鮮烈な記憶です、未だに。

映画の中の話なのに、苦情電話の主に殺意をおぼえました(笑)。

この世にはロマンを解さぬ凡夫のなんと多いことか。

官僚出身の政治家にはご用心。

そういう輩には、「宇宙は儲かる」と思わせなきゃ(爆)。

投稿: yo | 2008年6月 7日 (土) 02時07分

yoさま
国を動かす官僚に、理系の割合が極端に少ない我が国は、問題有りです。
せめて、割合が半々なればバランスが取れるのですが。

投稿: 松永 | 2008年6月 7日 (土) 02時17分

同じ事考えていましたが、世の中の関心の薄さと報道での取扱いが小さいのがちょっと気になります。

戦前、マトモな製造業がなかった日本で、素材といった基礎研究の役割は、海軍航空工廠といった軍の研究所でしたね。

今ずっと終戦までの飛行機の開発史を読んでいますが、そこには戦後に開花する製造業立国「日本」で活躍する開発者、経営者がここに発見できます。

税金のムダと云う声を聞く度に、もうこの国の次世代ではマトモな物が造れる国じゃなくなるかもという危惧が感じられます。

投稿: kuwa | 2008年6月 7日 (土) 23時06分

同感です。労働力が減り、労働意欲は激減、

戦後、負けてたまるか!と、家庭を、家庭人としての、
ささやかな幸福さえも犠牲にして働いた日本人を、
今の人は『ありえね~っ』ですよ(笑)

30代以上の方は皆、宇宙が大好きで、松永さんの意見が
心に染みるのではないでしょうか?

希望を持ちたい!!
でも、その前に絶望と向き合わねばならない、今日の日本。

投稿: zackino | 2008年6月 8日 (日) 00時51分

kuwaさま&zackinoさま
種は撒かれました、後はどれだけ芽を出すか、芽が出てもどれほどが成長するのか、成長しても花をつけるか、花をつけてもいかほどが実をつけるのか・・・
途中でやめるわけにはいきませんよね。

投稿: 松永 | 2008年6月 8日 (日) 18時31分

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