新生尻切れマシン
コーダトロンカ、カムテール、カムバック・・・どれもある自動車のお尻のデザインを表す言葉です。
車体にそって流れる空気をきれいにボディ後端まで導くために、一時期までは空気の流線に沿ってにリアのオーバーハング(後輪の車軸中心点からボディ後端までの距離のことね)をぐっと伸ばす手法がとられていました(左の画像のNSUのレコードブレーカーみたいな形)。ここでスイス人のブニバルト・カム博士登場!!「流体中を進むもっとも効率の良い形とされるお魚のような流線型の物体の形状を、ライフル弾形状のようにその後端をスッパリ切り落としても空力抵抗がほとんど増加しない」と言う理論と共に。
この形状は60年代半ばから70年代のスポーツカーやレーシングカーに採用されましたよね。番長ドリーさんや私にとって、雲の上のアルファ・ロメオ、TZ2はそのデザインの完成形に近いと思う(私見ですが)訳です。
私的にはMOTO GUZZI LeMansIIレーサー・ロシナンテをジンさんに製作依頼した時、「旧車っぽくするならシートカウルはお椀形に」とのジンさんの提案を、「コーダトロンカ(イタリア語で尻尾ちょん切れの意)にしてください」と、方眼紙に画まで書いて主張したのも今は昔。モトラボロ製の丸ヘッドレーサーでシートカウルを持つモデルでは、根本さんのV7がお椀形、私のロシナンテはコーダトロンカとなっているのです。「空力を考えてこれにしたの?」って。全~然っ。かっこいいからこれにしたんです。(しかしこの画像、よ~く見るとリアタイヤの右端、タイヤ表面が荒れてきてますよね)更に一度大破させた後、修復をかねてライディングポジションの見直し、足回りの刷新をした時にも、「もっとモダンにしたら」とのジンさんのお薦めに、「このラインは崩さないで」とわがままを言ってこだわった所がここなのです。
あ~長い前置きです。書いている私も体調が悪いんで、これだけでもちょっとグッタリ・・・。
このコーダトロンカの完成形と言う事で、先に書きましたTZのデザイナー、ZAGATOにいらっしゃたSPADA氏が独立され、自分の名前を冠したスポーツカーを製作されるとの事。マジですか。
その名もSpada Codatronca TSです。
確かにコーダトロンカですが・・・私的にはウ~ン・・・美しいかな?真横から見ると、どことなくTZの面影があるように思いますが、どちらかというとビッザリーニが作ったフェラーリのブレッドバンな感じがするように思います。
それにしてもランボルギーニのレヴェントン、ベルトーネのB.A.T11と言い、昨今のイタリア車のデザインコンセプトの流行はステルス機なのでしょうか?特にリアのストップランプ周りのカーボンのカバーは、米軍のF-117ナイトホークのキャノピー周りそのものですもんね。HPはこちらです。興味ある方は行ってみてね。
このマシンに関しては、コーダトロンカよりもルーフから突き出たピトー管の方が気になる私であった。
ピトー管で速度測定って、F1か飛行機ですな。
どんだけスピードを出すつもりなんでしょうか。
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コメント
イタリアの尻切れデザイン、いつ見てもゾクゾクと鳥肌が立ちます。
ルマンやタルガ・フローリオに出走していたマシン達の、
切れ上がったテールから覗く耐熱ホワイトのエキパイ、
申し訳程度に配置された灯火類など、簡素でありながら、
あのバランス感覚はタメイキモノです。
私のレーサーもその雰囲気を狙っているのですが...。
http://ameblo.jp/public/image/displayimage.do?imagePath=/user_images/37/f2/10060743728.jpg
将来はワンオフで、より理想のデザインにしましょう、と
シルヴァバードのmakino氏と盛り上がっております。
投稿: Ken@PASO750R | 2008年5月18日 (日) 17時03分
Ken@PASO750Rさま
> 耐熱ホワイトのエキパイ
一番最初の状態はお店の例のアルミレーサーについていたレンスポルトのこのタイプのエキパイが付いていましたが、下地のテッチンのエキパイが、雨で錆び錆びになっていて・・・耐熱処理が瘡蓋を剥がすみたいにボコボコ剥がれいて、私の美意識では我慢できず納車時よりアメリカのレーサーが良くつけている耐熱バンドを巻いていました。
高温のものを高温のまま抜くと、流体粘性が低くてエキパイ径を太くするのと同じ効果があります。
投稿: 松永 | 2008年5月18日 (日) 19時51分
>かっこいいからこれにしたんです
これ重要
コーダトロンカ好きです
投稿: 番長ドリー | 2008年5月18日 (日) 23時55分
「ブレッド・バン」って言葉に萌えるなぁ〜。
ビッザーリー二のGTO、BMWのMクーペ大好物です。
Spada Codatronca TSは、真横からみるとたしかにパン屋の配達車ですが、斜め後からの姿は、コルベットなんかで云われるところのボートテイルっぽいのですが。。。
まっ、いっか。
投稿: kuwa | 2008年5月19日 (月) 00時57分
番長ドリーさま
尻切れは基本ですよね基本。
kuwaさま
>BMWのMクーペ大好物です。
ほぅ。(Byシャー・アズナブル)
かつてK1を足にされていた頃、私がBMWゲテモノ弩M道を歩む正しい選択として、四輪はMクーペか8シリーズかZ1を、そりゃ~強くお薦めした時、「エ゛~ッ」っとおっしゃっておられましたが、クラウザーMKM1000やK1200Sといった荒行を積まれて、弩M道に堕ちる快楽に目覚められましたか。(笑)
毒を喰らわば皿まで。良い傾向です。
来るべきその時には、グロスブラックの外装に、赤革の内装を希望です。この場合、なんちゃてMクーペは打首獄門です。(爆)
投稿: 松永 | 2008年5月19日 (月) 01時29分
コーダトロンカ…っつかカム博士でサーチしてたらこんな素敵な所へ!
SPADAって、元ZAGATOのエルコーレ・スパーダ氏の事…ですかね?
さもありなん。
でも、このテールって、確か…
JテールとKテールの折衷案って言われたアルファロメオの8C2900B…だったかな?
ル・マンで走ったマシンみたいに見えますが…あれもZAGATOだっけ?
B.A.T.11もそうだけど、ちょっとイタリアン・カロッツェリアの一部の作品に魅力無い(TT)
ベルトーネはあんなんなっちゃってるし…ちと哀しいです。
コブラ・デイトナクーペが大好きなのです♪アレもイタリア製ボディだったし^^
以前CR-X乗っていたおっさんの戯言でした。
投稿: はたぼー@倉敷 | 2008年9月23日 (火) 01時32分
はたぼーさま
はじめまして。
カム博士で検索をかけられるところが、只者ではないですね。
ちなみに、8C2900B LeManのボディーはツーリング製のようです。
CR-Xでコーダトロンカ好きですか。
初期型CR-XはアルファのJr.ZAGATOにそっくりですもんね。
でわ~。
投稿: 松永 | 2008年9月23日 (火) 20時13分