悪いスパイラル&良いスパイラル
昨日は、久々の師との稽古。
去年から始められた小太刀をされている方との稽古は続けていたのですが、師は年明けより週末はお忙しかった様子、日本剣道型の演武、剣道の審判で西へ、法事、お仕事と、三週間ぶりに木剣を合わせて頂く事が出来ました。
師を前に八双に構えます。周りの空気が変わります。
なるべく間合いに気をつけて、焦らないで慎重にゆっくり間を詰めていきます。いつもココで焦りすぎと注意されているポイントです。
「エイッ。エイッ」と袈裟を落します。
一本目「錫杖」を何とか無事に済ませ、次は二本目「稲妻」斬り落としの技です。
技が終わって残心の時、ほんの僅か師が目を伏目がちにされます。駄目が出ました。具体的な指摘は何も無くとも自分でわかっています。切先(刃先の三寸、刀の人を殺傷する部位)の力が師より劣っています。役処は師を斬るはずなのにいま一つ斬れてないのです。真っ直ぐお互いの木刀と木刀を打ち下ろした時に、師の木刀を弾いて、師の刃の軌道を私の正中線から外しているのですが、私の剣線も僅かですが師の正中線から外されてしまいます。ほんの僅かな事なのですが、私も「あっ」と心の中で思えばやはり駄目でした。
三本目の「曲龍」でも最後の共突きの切先の力が負けているのが、私の木剣の鎬が触れている師の木剣の鎬から伝わるプレッシャーを感じる事でわかります。真剣ならば私が、鳩尾(みぞおち)を突き殺されていますね・・・。
そんな感じで、ちょっと伏目がちな駄目を出されながらやっとの事で稽古を終え、稽古後、「こうなるから駄目なんですよね」と、握った木剣をこねる様なジェスチャーをすれば、「そう、切先が負けているのがわかっているから何とかしようと腕力で振ってくる、すると握りが型の途中に変わる、すると肩に力が入り下腹の力が抜ける。そうなると今まで以上に焦ってしまい、尚更腕力に頼る。悪いスパイラルに入る訳だ。わかる?」今は出来ないけれど解かります。昔の人は、このような僅かな力の入れ具合で、生死が分かれていたのか・・・真剣を持った相手に相対してのこのやり取り、精神力も凄いですよね。
「逆の良いスパイラルもあるんだぞ。それもわかるな」・・・解かります、本当に今はまだ出来ないんですけど。
下腹に力を入れて、上体の力を抜き、肩を大きく使い、小指と薬指だけで手の内を決めたら、死んでも握りを途中で変えない。後は相手の斬り落す場所に刀を振るのみ・・・ってこれが難しいねん。そう簡単にできないんです。
春までにもっと技に磨きを掛けます。
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コメント
はじめまして、現在は新陰流槍術は道場でやられてるんでしょうか?
投稿: 鼓舞士 | 2008年2月15日 (金) 03時31分
鼓舞士さま
新陰疋田流の事を言われているんですよね。
たしか、日曜日に雖井蛙流の小太刀と一緒に稽古をされていたと思います。
明日、私の雖井蛙流の太刀の稽古が御座いますので、その時に確認してもう一度ここにコメントをつけます。
先ずは取り急ぎ。
投稿: 松永 | 2008年2月15日 (金) 09時48分
鼓舞士さま
聞いて参りました。
新陰疋田流の薙刀の稽古は日曜日にやられておられるとの事です。ただ、残念ながらお問い合わせの槍術は、ただ今復元中で、現段階では古文書の調査中との事でした。
この度、問い合わせをさせて頂いた方のHPのURLを、書いておきます。
http://homepage.mac.com/kxi/Personal17.html
解答になりましたでしょうか。
投稿: 松永 | 2008年2月16日 (土) 18時05分
御丁寧にありがとうございます。お手数おかけしました。
投稿: 鼓舞士 | 2008年2月16日 (土) 23時59分