飲み会前のプロローグ
12月15日、土曜日。この日がやってきた、モト・ラボロの忘年会。
午前中いっぱいまで仕事をして、午後一の飛行機に飛び乗り羽田へ。
「おいおい忘年会は夜から、ちょっと急ぎすぎじゃないですか?」って、せっかく東京に行くのです。観ておきたい展覧会が二つありましたので、そのために早出なのです。
で今日のエントリーはそれについて、飲みについてのエントリーを期待していた方々、ごめんなさい。
前日の夜更かしの影響で、機内でも居眠り「ぐ~ぐ~」の私、軽い衝撃で目が覚めると、もう羽田に着陸してました。
羽田からモノレールと地下鉄を乗り継いでやってきました、乃木坂にある国立新美術館です。建物建築も有機的なカーブを描くトラス構造のガラス張り。トラス好きの方々には、絵を観るよりもこの建物だけで、大盛りご飯三杯はいける勢いの、構造体萌えができます。
そして此処に今、フェルメールの「牛乳を注ぐ女」が来ているのです。ちなみにこの展覧会はこの月曜日まで。最後の週末の土曜日、凄い人でした。久々に並びました。長い待ち時間を耐え、会場に入ると、そこも凄い人。展示してある諸々の絵画を観ながら、お目当ての「牛乳を注ぐ女」の前へ。此処も凄い人・人・人・・・。でもここぞとばかりしっかり見ました。それにしてもオリジナルの黄色と青の発色の良さにびっくりです。光線の描き込みも尋常では無いです。感嘆の溜息が出ました。
フェルメールで西洋画の緻密さを見た後、次はシンプルで大胆な線で描かれた日本画を見に、国立新美術館から歩いて数分の東京ミッドタウン内にある、サントリー美術館へむかいます。
ここには現存する全ての「鳥獣人物戯画絵巻」がやってきているのです。ここも、この企画展が翌日の日曜日が最後ということもあって、凄い人でした。でも並んで待っただけの感動はありました。西洋の油絵と違って、やり直しのきかない墨絵で、なんとも言えない素晴らしい絵・・・、ひょうげているというか、愛らしいというか・・・描かれている線をよ~く観察してみると、筆の入力から抜けまでが「しゅっ」っとしていて、迷いが無くて実に筆致が綺麗なんです。これも真筆だからこそ判る楽しみです。
あ~目の保養、目の保養。こういった贅沢は田舎じゃ無理ですもん。名画のオリジナルの真筆を、この目に、網膜に、そして脳味噌にしっかりと焼き付けました。
久々(京都の若冲展以来か・・・)に、こういった欲求が十分に満たされました。
さて、スイッチを切り替えて、忘年会の会場である渋谷に向けて動き出そう!
怒涛の飲み会編は、明日のこの時間に続きます。
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コメント
フェルメールの「牛乳を注ぐ女」、意外と小さい絵だったでしょう?
フェルメールはレンブラント光をフルに活用した一人ですし空間と発色において究極の効果を描き出した画家でもありますね。
投稿: VCE | 2007年12月17日 (月) 00時17分
VCEさま
私は「真珠の耳飾りの(青いターバンの)少女」を大阪で観て以来、フェルメールにやられたのです。
初フェルメールが「真珠の耳飾りの少女」ってのも影響大だったと思いますが・・・。
この人、同時期の絵描きさんの中で、写実的という意味では、頭一つ抜けて絵が上手ですよね。
一説にはカメラ・オブスクラなんて言われている投影機を用いていたなんて話もありますが、それにしても光線表現、絵の具の発色、言葉になりません。
そんな、フェルメールの作品で、真作をこの目で観たいと強く願っているのは、実は彼の得意の人物画ではなくて、風景画の「デルフトの眺望」なんです。(過去のエントリーにもちょこっと書きました)
これを観に、いつかアムステルダムまで行きたい・・・アムス・・・アッセン・ツアーなんてな。
投稿: 松永 | 2007年12月17日 (月) 00時43分
自分のブログの背景は鳥獣人物戯画絵巻です.
っていうか,知りませんでしたが,
絵がいいなと思って使っています.(汗
投稿: mosan | 2007年12月17日 (月) 08時57分
mosan先生
ブログ、リンクしました。
本物を見た感想ですが、お茶目で良いです。
「クレヨンしんちゃん」みたいな子供が好きそうな下ネタもの(チンチンの大きさ比べや、おなら大会の絵等)もあって、「400年前と人のユーモアの感性はあまり変わらないのだな~」なんて目を細めながら楽しめました。
投稿: 松永 | 2007年12月17日 (月) 11時46分