古流と世界陸上
さてさて、昨日のお昼にUPしたエントリーの通り、古流の演武を何とか無事に終わらせた私。
くどいようですが、今になって思うと、あそこも駄目、此処も駄目と、自分で自己反省の日々です。
師より、「演武も無事終わったし、この一ヶ月の合わせ稽古もよく頑張った。今日、君の仕事が終わったら打ち上げだ」と言う事になりました。
一次会が終わり。二次会のバーで飲んでいた時です。丁度テレビでは世界陸上の200m女子決勝。トップアスリートの背面の映像を観て「うわ~凄い広背筋と僧帽筋、女性なのに猪首になっている、肢はハムストリングスのしまり具合もすげ~」なんてボソッっと呟くと。
となりの席の師は「んっ」とされた顔。
決勝が始まり走行風景を観ながら「・・・上体が全くぶれていない・・・(アメリカのフェリックスは)化け物かっ・・・!!(こんな所でもガンダムネタの私・・・)」との私の独り言に。
「そうっ!なんでも同じ。上体がぶれては駄目なんです。いつも君に注意する事でしょう」と・・・解かっております・・・だから驚いたのです。世界記録のタイムで200mを走る人間の全くの無駄の無さに・・・つーか無駄が無いからこんな記録が生まれるのだ。
続けざまに「剣の達人の体型は、寸胴であることが望ましいんだ。それは君がさっき言っていたように、肩周りと背中の筋肉がしっかり発達して柔軟な事と、同じように股関節が柔らかく、ハムストリングスが発達している事、体の小端、手足の筋肉がモリモリになることなんて必要ないし、かえってそこに力が入ると、刀が触れなくなります。刀は肩と背中で振るんです」
この話を聞きながら思い出したことがありました。映画監督 黒澤 明氏の生前のインタビューに現代劇の映画が続く事に対するインタビュアーの「もう時代劇は撮られないのですか?」の質問に、「今の俳優さんに、猪首でずんぐりとした昔の日本人をやれる体型の人がいなくなった。だから撮らないんじゃなくてもう撮れないんです」のような事を言われていたのを思い出しました。“七人の侍”で言えば、七郎次を演じられた加藤 大介氏なんかがその体型ですよね。
脱線が過ぎました。
動きに無駄が無く、美しく振舞う事は、こんなに難しいのかと日々の稽古でイヤというほど知っている私・・・「まだまだ精進が足りない」と、横目で世界陸上の中継を観ながら、氷が解けて薄くなりつつあるウイスキーの水割りをちびちび舐め、反省会のような打ち上げの二次会となったのです。
これをお読み皆さん、世界陸上をそういった目線で観てみてください。踊り、武道、モータースポーツで言えばサスペンションセッテイングのありよう等、陸上世界レベルのアスリートの身体、その動かし方には、皆様のやられている趣味や生きがいに役に立つ、学ぶべき事が沢山あります。
そう、何度も言うようですが、物事は掘り下げれば掘り下げるほど繋がっていくのであった。
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コメント
空手でも上体がぶれると相手に気取られますし
先制をかけることができません。
いかに重心を揺らさないか。身体の芯を作る。同じですね。
投稿: VERTICAL | 2007年9月 1日 (土) 23時17分
VERTICALさま
昨日、本身を振りました。
・・・振るのすら難しい・・・。
ぶれるんです。
こんな時こそ「丹田に気をこめて」ですね。
投稿: 松永 | 2007年9月 2日 (日) 00時53分