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2007年8月14日 (火)

シュルレアリスムとしての怪獣

Kanegon  ミニモト耐久レースの記事が続いてしまったために一週間ほどずれがありますが、このBlogに遊びに来ていただくzukaさんが、山寺芭蕉記念館で開催されている「怪獣と美術 ~成田亨の造形芸術」を見に行かれたとの報告を頂き、そこで販売されていた図録を私用にと、送ってくれたのです。

 お礼の電話方々、「展覧会どうでした?」の私の問いにzukaさんは「現物の成田デザイン画を拝めて良かった」と言われる一方、「成田亨に関する著作のある 滝沢一穂、大島太郎、清水節の三人による講演会をあったのでそれを聞いたんだけれど、その内容が、絵描きとしての自分の境遇にオーヴァーラップして、ちょっと考えさせられた・・・」とも。

 かいつまんでちょっとその時のお話をすれば、成田亨にとってウルトラ怪獣デザインの仕事は、「糊口をしのぐ」ための物でしかなかったのです。しかし皮肉な事に、この「糊口をしのぐ」ための仕事が、子供向けのTV番組用にしてはオーバークオリティーなほど素晴らしく、氏の思いとは裏腹に、こちらの方が本業のようになってしまい、その間に本来の自分の本業としての現代芸術を志す「画家」としての旬を逃してしまった・・・そんなお話でした。

Zurokusyasinn  さて、頂いた本にじっくりと眼をやると、その怪獣デザイン画は、まだ人が入る着ぐるみとしてのフォルムはまだ無く、怪獣と言う不条理極まりない生物の存在として描かれています。これらを眼にして「あっ」と思ったのは、同時期にシュルレアリストとして一線級の仕事をしていた岡本太郎。その岡本の仕事をどのような思いで成田は見ていたのか・・・そんな思いに駆られました。

 ウルトラマンの劇中設定では、大阪万博に剥製として展示された成田亨デザインの「怪獣ゴモラ」、実際に今でも大阪千里丘陵のエキスポランドにランドマークとして聳え立つ岡本太郎の「太陽の塔」。そして過去のエントリーにも書きましたが、その岡本太郎も映画「宇宙人東京に現る」にて、宇宙人のデザインをしている事実も忘れてはいけません。

 闇の無い光は存在せず、光の無い闇もまた存在しません。この二人には何か因縁めいたものを感じるのは私だけでしょうか・・・

 ちなみにこの企画展は、2007年 9月 8日(土)~ 10月21日(日)の間、東京・三鷹市美術ギャラリーを巡回するようです。東京の方、急げっ!です。私もこの時期に上京する事になれば行くつもりです。

 最後になりましたが、zukaさん、私の妄想癖を大いにくすぐるアイテムを送って頂き、大変ありがとうございました。

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コメント

貴重な情報、ごっつぁんです。
おいしくいただかせていただきます。(笑)
当時のウルトラマンを制作していたスタッフのクオリティの高さは定評のある所ですがその根幹をひもとく事はなかなか出来ず目にする事もあまりないので
ちょうど良い機会だと。。。

投稿: VERTICAL | 2007年8月14日 (火) 23時08分

帰って来たウルトラマンの前と後で怪獣のデザインが大きく変わるのは、当時の子供でも肌で感じていましたね。(って、自分の事か)

エースの超獣のデザインは、ぶっ飛んだものが多かったけど、何かちょっと違う、それはシンプルなのにオリジナリティがあるものじゃなかったことです。

リアルタイムで触れる事ができた世代で良かったです。

投稿: kuwa | 2007年8月15日 (水) 01時27分

VERTICALさま&kuwaさま
今回は展覧会の図録のみを見ただけなので、「それは違う!」と言われるを覚悟で書けば、私的には成田亨って、キリコ、ダリ、岡本太郎、横尾忠則、ギーガーなんかに並ぶ前衛芸術家に思えるのですがどうでしょうか。私の主観たっぷりのコメントですが。

投稿: 松永 | 2007年8月15日 (水) 12時17分

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