僕らはみ~んな「蓼喰う蟲」
ナチュラル・スタイリッシュ、レトロ・アート、ガンダム系・・・皆様、これらって何の事かわかりますか?
それは、いつものトレーンニング後に私が顔を出す模型店でのお話、その店内には光り輝くオブジェと共に、含み笑いの店長さんが待っていました。
その日、ガンダム専門店なのに唯一スケールモデルの完成品を陳列されている展示ケースに、見慣れないメタリックな物が三つ目に入りました。それはプラ棒を組み、それを赤く塗装をして展示スタンドにしてあり、その上にフロントバンパー、燃料タンクを守るサイドバンパー、ランプの配された泥除け、泥除けのゴムの部分は本物の黒いゴムシートを使っての作りです。
これを見つけた私、店長さんに「これ・・・何?」
店長さん「うちのお客さんにデコトラが好きな人が居てねえ~、その方のフルスクラッチ作品」
私「フルスクラッチって・・・トラックじゃなくてこれらのパーツだけ・・・?」
店長さん「そう」(ニヤリ)
つまりこうです、二輪模型好きの私が1/4位のビックスケールで,ハンドル部分のブレンボのラジアルマスターシリンダーとかスロットルの模型を作ったり、オーリンズの倒立フォークだけの模型を作って、飾るための展示スタンドを作るような感じ・・・?そうかっ、二輪レースが好きな我々にとって、高性能パーツの商品見本みたいで、お部屋とかガレージのオブジェとしてちょっといいかも・・・と思えてくるね。
それと同じでデコトラ好きの人には、多分たまらん魅力があるのだと思います。ちなみに模型用のアルミ箔の貼りこみによって、鍍金な感じが再現されたそれらのパーツ群は、ナチュラル・スタイリッシュと呼ばれるトラックの装飾法に用いられるものだそうで、なんと本物はバンパーだけで100万円以上するそうです。(ってブレンボのレーシング・モノブロック・ラジアルマウント・キャリパーの値段を堅気の人に教えると、ドン引きされるのと同じか・・・)
ちなみに「そのナチュラル・スタイリッシュって?」って質問がディスプレイ越しに聞こえてきそうですから簡単に説明すると、普通の人がデコトラって聞いて頭に浮かぶのは、いろんな色のランプがいっぱい付いて、「まるでこのトラック、映画“未知との遭遇”のマザーシップ作ったグレッグ・ジーンが作ったんじゃ・・・」なんて思うのがホントに普通の人が思うデコトラ。そんなんじゃなくて、電飾を出来る限り廃して、クロム鍍金とかステンレスの磨きなどでキラキラ反射して光るパーツ群で車体を飾る装飾法をナチュラル・スタイリッシュと呼ぶそうです。
この機会に残りのガンダム系とレトロ・アートも説明しておくと、ガンダム系って言うのは、FRPなんかででっかいエアロとか付けて、羽とか、シャアのザクに付いている角みたいなのが屋根の上についているやつです。時々岡国のパドックにもガンダム系のトランポいらっしゃいますよね。
そしてレトロ・アートって言うのは、最新のモデルに型の古いパーツを加工して付ける、つまり今風なターンシグナルとライトが一体になったライトユニットを外して、昔の角型三連ライトを埋め込んでターンシグナルも昔のように・・・メーカーがせっかく進化させたものを無理やり退化させてしまう、言うなればチューニング界のアルタードステーツ!!!実は、私のロシナンテだって、MOTO GUZZIのLeMansIIなのに、ジンさんに頼んで前の型のLeMansの外装見たくしているので、かの方々に言わせると、これって立派なレトロ・アートなのだっ!そう考えると、DUCATIはスポーツ・クラッシクラインでメーカー自らがレトロ・アートなマシンを作っちゃたのだ。
ちなみにこのようなセンスを、「男の趣味」と呼ばれるいろいろな分野に垣間見る事ができるのを発見しました。勿論二輪、四輪もそうですが、釣りのルアーの世界にも見ることが出来ますし、筆記用具、カメラコレクションの世界なんかにも垣間見えます。
好みは人それぞれ、その人の好みに「俺のは上等であいつのは・・・」なんてナンセンスです。普通の人(こう書くのもちょと抵抗はありますが)にとっては、そんなの「目くそ鼻くそを笑う」世界なので、いつも言っているように鳥瞰している醒めた一人の自分と供に、もう一人の好きなモノに夢中になっている自分が居るのが、数寄で身を持ち崩さない方法なんじゃないか・・・なんて思わせてくれた、この十日間のデコトラ勉強でした。
ちなみに今まで皆様にわかり易い様に「デコトラ」って書いてきましたが、その業界の人は「アートトラック」と言われているようです。
私たちにとって、「二輪模型って言えばやっぱりプロター(今はもう無い)だよな」って言うのがあるように、この方々にも「アートトラック模型と言えばアオシマだよな」だそうです。
そこでアオシマのHPに行ってみた。アッ・アオシマ・・・大型デコトラって・・・あかんやないかい、大型アートトラックって言わんかいっ!
しかし、今回のこのエントリーは大変でした。この事柄について、リサーチしていたんです、この十日ほど。今回エントリーとして書いている文章は、hey師(今回は「氏」ではなくて「師」なのだ)のおかげで形になったような物です。ネットで調べても的を得た情報は中々無くて困りに困ったのですが、こんな時の最後の砦、業界通のhey師にお仕事中にも係わらずお話を伺ったつー訳です。
最後に、聞くところによると、この模型店の店長さんは「そんなにナチュラル・スタイリッシュが好きならば、サムソントレーラーのナチュラル・スタイリッシュ版をキボン」と、そのパーツを作ってこられたお客さんにサムソントレーラーをご購入頂いたそうですw。
光物で装飾されたサムソントレーラー、私がこの秋に作ったアフリカ戦線熱帯塗装仕様の艶消しヤツと並べて店頭に飾ったら、メリハリがあって「良いねぇ~」(byKim Snake)
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コメント
いやぁ、勉強になりました。先日松永さまとこの件でお話した後、ネットで調べてみたのですが詳しい情報が分からずで悶々としておりました。ナチュラル・スタイリッシュ、レトロ・アート、ガンダム系・・・確かにレトロ・アートはバイクで言うDUCATIのスポーツクラシックシリーズがその物ですね。ガンダム系もランエボなどメーカーがやってますし。ナチュラル・スタイリッシュ・・・響きがイイ・・・
投稿: 番長ドリー | 2007年2月22日 (木) 19時22分
ナチュラル・スタイリッシュ・・・そういえば松阪の御仁は、今思えばGUZZIレーサーをナチュラル・スタイリッシュ仕様にされてましたな・・・(遠い目)
投稿: 松永 | 2007年2月23日 (金) 01時56分