天地の初發の時
昨日のエントリーで「神代の・・・」なんて事を書きましたが、これがムシの知らせだったのか、昨日はこの言葉に関係した素晴らしい物を拝見する機会に巡りあうことができました。
仕事の関係で、大正時代に作られた旧家のたいへん大きなお屋敷に招かれたのですが、その建物のディティールをマジマジと観察している私に気が付いた亭主の方が、「君はこんな古い物が好きなのかね?」と申されたので、「ごっつい好きです!」と、お国言葉丸出しで答えますと、「それじゃあ」と母屋の奥、接客用の「離れ」に通されたのです。
もうね目が点なのです。
使われているガラス板は微妙に波打っているので「コレって・・・吹きで作られたヤツですか?」と尋ねると、「そうだよ、よく知っているな、大正時代のガラスだよ」って・・・百年前のガラスですか!!。
そして「離れ」にある(この家には茶室が母屋に一つ、離れに一つ、庭の真ん中に一つと、三部屋もある)三畳の茶室に通されました。そこでマタマタ目が点になりました。なんと神代杉の床柱!!それだけならまだしも天井板が全て神代杉でできています。おそろしい~今、こんなの絶対作れない茶室です。
ちなみに神代杉とは、「埋れ木」とか「埋蔵木」なんて呼ばれ方もする、太古の昔に火山の噴火・洪水などで地中に埋まった杉の木が、半化石化した材のことです。化学変化で木目が灰青色に浮かび上がり、非常に貴重で美しい物なのです。そして「神代の昔の杉」と言う事より、神代杉と呼ばれているのです。
うれしそうに一通り私に「離れ」を案内にされると、最後に亭主の方が、「かつては住み込みの方も沢山居て、この家も維持できていたが、今現在、夫婦だけなので、この家の維持も大変になってきた・・・」とため息交じり。
こうした問題を、漫画“ギャラリー・フェイク”の藤田玲司ならどう解決するのでしょうか?
しかし・・・コリャ文化財クラスですよ。
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コメント
そのまんま、
文化財の指定を受けてもらえばいいじゃん。
手続きの困難さは知ってるけど、
その価値ありそうじゃん。
投稿: ocboo | 2006年7月 6日 (木) 15時13分
文化財指定を受けてしまうと、住めなくなってしまうこともあるかもしれませんね。 きっと、住み続けたいし、古いままを維持したいしという難しいところなのかもしれません。
こういったものを活かす術があればよいのですが・・・
投稿: 瓶星 | 2006年7月 7日 (金) 09時23分