THE FELLOWSHIP OF THE MOTORCYCLE
昨日の記事より続き。
さあ出発です。肴倉君を迎えに岡山空港まで急ぎます。空港までの道すがら、街灯の無い暗い峠道を運転しているo.c.booさんが、眼鏡の奥の目を細めながら呟きます「今迄、鳥取のあんたが、なんで東京のお店に通うとのるのか?って思っていたけど、今回の事で通うとる理由が解ったわ・・・」
私「・・・」
o.c.booさん「こんなオートバイ屋、他に無いで」
そう、そうなのです。o.c.booさんの言われるとおり、私にとってのモト・ラボロはフロント、サービス、メカ、そして店のオヤジ、その全てがNo Substitute(掛替えの無い)なお店だと胸を張って言えるお店なのです。そして、そこのお店の客であることを誇らしく思うのです。
一時間ちょっとのドライブで岡山空港に着きました。到着ゲートで待っていると、荷物受け取りは一番最後、それはターンテーブルに載ってくるのでは無く、フライトアテンダント二人掛かりの重そうなクーラーボックスを手渡し受け取り、それをコロ付きの簡易台車に自転車の荷造りゴムで縛り付けてこちらに来る肴倉君。見事なクーリエぶり、その仕事ぶりだとMetのクーリエにだってなれるぞ!
その肴倉君も明日の仕事があると、07:10発の朝一の飛行機で東京に帰って行きました。本当にミッションケースを渡すためだけに岡山まで来てくれたのです。しかも早朝、サーキット05:00発の運転を再びかって出てくれたo.c.booさん、本当にありがとう。本当は私が行かなきゃならなかったのですが、こちらも朝一のミッションケース交換手術があるためサーキットに居なくてはならず、空港に向かう二人の乗った車を後ろ髪を引かれる思いで見送りました。
見送った後、パドックに行く支度をしているとジンさんから「松永君起きてますか?そろそろ作業しますよ」との電話。さてさて終にミッションケース交換手術です。
これが肴倉君が持ってきてくれたミッションケース入りクーラーボックスです。この雰囲気、なんだか本物の臓器移植用の臓器を運んでいるみたいですよね。我がロシナンテにとっては臓器移植そのものですが・・・
JALの封印ががっちりしてありました。何でも羽田で「何が入っているんだ?」と、きちっと梱包していたミッションケースを梱包を外されチェックされたそうです。本当に迷惑かけたね、申し訳ない。
ジンさんは「外しに30分、組みに30分、一時間ちょいもあればできるよ」との事。画像のように高橋メカと作業開始です。私はケースを外したり組み付けたりする時、フレームを持ち上げるような力仕事を手伝いますが、基本的には細かな仕事をお二人に任せ、空模様が昨日の夜からの雨なので、レインタイヤの組み換えの用意を始めます。
ほぼジンさんの読みどおり、所要時間一時間二十分でミッションケースの交換と、タイヤをドライ→レインに変え、タイヤウォーマーを掛けられた万全の状態の我が愛機となりました。モトラボロ、o.c.booさんの見事な連係プレーで、無事予選に出られることとなりました。皆さん本当にありがとう。
春の細かな霧雨の煙る中、予選の始まりです。直したばかりのマシンを労わりながら、かと言ってゆっくり走る訳にもいけません。バンク中ちょっとパワーを掛けるとズリッってリアタイヤが滑るんです。こわ~、アクセル開けたいけど、開けられない。精神的に悪~い走行となりました。皆のお陰でこの舞台に立っていられるんです。調子に乗ったり&下手な意地を張った挙句=転倒!!なんて今回ばかりは洒落になりません。ただのアホです。
転倒厳禁の走りでリザルトは2分12秒・・・シオシオだこりゃ。完全にびびりモードですな。
天気予報では午後の決勝の時間は晴れ、それまでに路面がドライに成る事を祈りつつ、再びタイヤ交換(レイン→ドライ)です。
長ーい待ち時間を過ごし、スタート前チェックの開始時間が近づきました。
ウェイティングエリアに向かうためチームテントを出ると、見た顔が・・・小倉選手だ。前回の秋のモトルネサンスで転倒され、脚を開放骨折され一時は厳しい状態の時もあり、津山の病院に入院されている時、お見舞いに行ったのですが、その彼が一人でちゃんと歩いておられるのです。「歩けるようになった!!!」との私の呼びかけに「まだまだ、よちよち歩きだけど、歩ける自分を皆に報告がてら見せたくて、時間が掛かるけど、またバイクに乗りたい」と・・・
それを聞いて「おいら待ってるから」と言いながら不覚にもなんだか目頭が熱くなり・・・歳をとると涙腺が弱くなって駄目だ。シールのOリングの交換時期ですね。
さてこれより決勝が始まりです。
つづく
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コメント
きゃ~ o.c.boo大活躍♪
「ぶう、ぶうぶうぶう、o.c.boo~♪(野沢直子風 笑)
ス・テ・キ☆ ・・・ステーキじゃ・・・・・・(爆
投稿: O.C MAKOTO | 2006年4月26日 (水) 19時02分
この記事読んで思い出したよ。
あるレースの予選終了後に、エンジンにトラブルがあり「決勝出走あきらめます。」ってジンさんに告げると・・・・・・・・・・・・やっぱり!
電話してたんだよ、店に。そして横浜から筑波までスタッフだった清水氏がパーツもってバイクで走ってきたんだな~。しかしスタ前チェック終了まであと20分。でエンジン積んで間に合っちゃった!(俺じゃゼッテー無理)すげーよGSJ!!!
お遊びの草レースなんだけど、ゼッテー手を抜かないし、最善の手を尽くしてくれる。そしてライダーを育ててくれるマシンを作ってくれる。
そんなジンさん&GSJが大好きです。
投稿: つる@GSJ OB | 2006年4月29日 (土) 00時24分
その現場にいました。
あれは凄かったねぇ~。
組むだけじゃなくて、ジンさん暖気まで終わらせてたもん。
それで出来上がって「いけーっ!」って、つる号がウエイティングエリアに向かって走っていったら、今迄固唾を飲んで見ていたギャラリーから「ウォー!!」って歓声&大拍手だったもんね。
今回、自分の事ながら、現場でこの時のことを思い出していました。(遠い目)
投稿: 松永 | 2006年4月29日 (土) 08時05分