春のお茶会
この前の記事で書いたとおり、弟一家が帰省してきているのですが、とてもうれしいお土産を携えての帰省でした。
義妹のお母さまは、京都は宇治の出身の方、孫(姪の事ね)の初節句ために、京都は緑寿庵清水の金平糖を手配されたようでした。しかも桃の節句用の季節限定「桃あられ」と言うものです。 箱を開けて、中の袋を開けると、なんとも上品な桃の馨がします。一ヶ月遅れのとなりましたが鳥取の実家での初節句・祝いの宴の始まりです。せっかくの金平糖、当事者の姪(もちろん抹茶はまだ喫めません)を囲み、亭主は私で濃い茶の準備です。
今回はこのような素晴らしいお菓子があるので、器にもこだわってみました。
まず金平糖が醸す素晴らしい桃の馨を生かすため、その馨を楽しむという趣で、透かし彫りを施された白磁の生地に、春の花や苺の実を絵付けされているHERENDのボンボニエールに装います。透かし彫りの間から素敵な馨が漂い、まるで満開の桃の林に居るようです。菓子器は弟の結婚式の引出物、象彦の孟宗竹を開きにして作られた漆器の竹皿を選びました。淡い桃色の金平糖の色を生かすため、漆の黒と金彩の輝きのコントラストを狙ってみました。
茶碗はまだ新芽の出ない春の枯野のイメージの色使いで、濃茶の緑を枯野から芽吹く春の新芽の緑に見立ててみました。
金平糖を頂き、口中に甘さと馨の余韻が残っているうちに濃茶を喫みます。春のひと時、至福の時間を過ごしました。
1歳の姪は、さも美味しそうに金平糖を歯で噛むことなく、大事そうにしゃぶっていました。こちらも子供なりの至福の時間だったようです。
でも、本物を知ることは大切な事なんだけど、こんなのが原体験になると舌が肥えて大変だぞぅ~。これがこの子の金平糖の試金石になるのですからね。
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