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2005年7月29日 (金)

アイザック・ディーネセン

 今、アイザック・ディーネセンの“アフリカの日々”を再読している。

 たしか私の蔵書の中にあったはずなのだが、探しても探してもどこにもない・・・

 でも、また読みたい衝動は抑えられず、Amazonの24時間以内に配達可能の文字に負けて、また買ってしまった。どうせ後から出てきたりするんだこれが。

 実はこの前にもうニ段階あって、アニメ攻殻機動隊の「笑い男」の話を性懲りも無くまたCATVで観てしまい、その影響でサリンジャーの“ライ麦畑でつかまえて”再々読してしまい、その“ライ麦畑でつかまえて”の中でこのディーネセンの“アフリカの日々”が出てくるシーンがあり(文中の題は“アフリカ便り”となっています)、“ライ麦畑~”を読み終わるのと同時に“アフリカの~”を再び読みたい衝動が起きたと言うわけです。

 アイザック・ディーネセンと男名のペンネームですが、実は女性です。まあ本文中はコーヒー農園の女主人と言っているので名ばかりの男名のペンネームではあります。洋の東西を問わず、日本でも紀貫之が土佐日記を「男もすなる~」と女性と成り代わって書き始めましたが、執筆中に 愛しい娘の死などにより当初のコンセプトが吹き飛んでしまい、最後の方では、ちゃんと男、紀貫之として作品と変革してしまっていますよね。言い方は悪いが、どちらも今風に言えば、異性のハンドルネームを使ったネカマのようなことをやっているようなもんですw。

 この小説“アフリカの日々”は、ハリウッド映画“愛と哀しみの果て”(何でこんな邦題になるのか理解に苦しむ)の原作として知る人ぞ知る読み物です。

 映画のほうはメリル・ストリープとロバート・レッドフォードの恋愛作品ですが、原作の小説は非常にドライな視点で(このあたりの事から男の名を使い作品を執筆していた所以ではないかと思われる。)、著者の18年間のアフリカの生活を綴ったものです。

 また訳者の横山貞子さんの翻訳が素晴らしく、その文体は簡素でバランスがよく、たいへん美しいです・・・。

 私的には原作小説の勝ちとしたいところですが、恋愛映画に溺れたい方は映画もどうぞ。(でも映画観るだけじゃなくて、本当に素敵な原作の方もちゃんと知っていた方がいいと思うぞ!)

 ディーネセンの原作の映画化されたものといえばもう一本“バベットの晩餐会”があります。

 これは原作、映画とも素晴らしいので皆様には両方を読んで観ていただきたいです。なので一切内容は書きません。

 学生時代の映画小僧だった自分、この映画を見てアモンチラード(シェリー酒の一種)がどうしても呑みたくなり、酒屋に買いに走りました。

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