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2005年6月 2日 (木)

DZ-015

 今読んでいる本に佐藤優著「国家の罠:外務省のラスプーチンと呼ばれて」がある。(正確には二周目に突入中)

 著者の佐藤優氏は「背任」と「偽計業務妨害」の容疑で拘留512日。第一審判決懲役2年6ヶ月、執行猶予4年、現在東京高等裁判所に控訴中の人物です。

 もうちょっと判り易く説明すると、 一連の鈴木宗男報道の時にマスコミがよってたかって鈴木氏の「鞄持ち」の外務省職員と連呼していた人がそうです。(判りやすい様にこのような説明をとりましたが、著書中ではそのような事実は無いと書かれています。)

 紅の「朱肉」使える立場か、左手人差し指で黒い「朱肉」を使う指印の違い、取調べをした担当検事が「これは『国策捜査』なんだから」と言う場面、肌が粟立ちました。こんな面白い本に出会ったのは久々です。

 ジョージ・オーウェルの“1984”、映画ならテリー・ギリアムの“未来世紀ブラジル”、あたりが同じジャンルにあたるのでしょうが、決定的に“国家の罠”が面白いのは、前者のニ作品はフィクションであるのに対し、「鈴木宗男事件」の当事者である著者の内幕手記というノンフィクション作品である点です。(だからといって前ニ作品が面白くないと言っているのではありません。)

 拘置所では1095番と番号で呼ばれる著者、“未来世紀ブラジル”の主人公サム・ラウリーは情報剥奪省に入省した時、独居房の様な個室と個人ID番号「DZ-015」をもらい上司から番号で呼ばれていたな・・。銃刀法違反で懲役3年をくらった漫画家、花輪和一の獄中漫画“刑務所の中”を以前に読んでいたせいもあり、前述の~ブラジルの個室のシーンと花輪和一の漫画が頭の中で混然一体となり、見ても無いのに「あぁ小菅の東京拘置所の独居房とはこんなとこなのか・・・」等と下らない空想をして、一人薄笑いを浮かべたりしておりました。

 逮捕前後の対ロシアの外交政策等のバックグラウンドに始まり人間、物に対する尋常ならざる観察眼、情報分析官としての有能さが読者にも伝わっています。

 今、このブログをお読みになっている皆様、こんな本めったに遭遇できませんよ!!

 なお、「私も読んだよ。」っていう方はコメントに足跡残してください。

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